今日の数字: 原油の電子取引

Crude Oil

2013年9月16日 || JEFF WHITE

米国が2020年までに世界最大の産油国になるとの予想は十分に根拠がある。そうした状況やオクラホマ州クッシングにある貯蔵ハブの原油出荷量の増加は、ウエスト・テキサス・インターミディエート原油(WTI:軽質低硫黄原油)が世界的ベンチマークとしての伝統的地位への復帰に近づくのに一役買っている。7月、WTIは北海ブレントとの価格差が1ドル以内で取引されており、近い将来WTIは再びブレントより高値の取引になるとみる向きも多くある。

こうしたことによりWTIに強みが加わり、市場参加者の間ではWTIの取引への選好が強まっている。クッシングの出荷量が上向きになりスプレッドが縮まると(1年前は23ドルであった)、出来高はブレントからWTIへと移行した。目先WTIを選好する傾向は、WTI-ブレント間スプレッドの12カ月のフォワードカーブで急勾配の逆鞘が進行していることにも表れている。2月、フォワード カーブが9カ月以内での11.38ドル逆鞘を示す状況で、期近スプレッドは0.82だった。つまり、WTIは満期が近づくほど、価値は高くなってゆく。

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一方で、石油生産の拡大や増量が市場の一大ニュースの一つになっているのであれば、電子取引の競争的な進展はさらに多くの関心を引き付けた数少ない事象の一つになるだろう。市場の電子化はあらゆる先物市場の資産クラスで実現している。金利や株式などいくつかの市場では、オプションを取引する際には以前より電子取引を多く取り入れている。今や先物取引に利用するトレーディング テクノロジーの充実により、現在ではより多くの原油オプションが電子取引で行われている。実際のところ、8月のWTIでの電子取引はついに50パーセントを超えた。2012年では、WTIオプションの32パーセントが電子取引で行われた。

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WTIオプションの電子取引が発展する理由はいくつか考えられる。以前はおそらく直接トレーディング フロアで、またはボイス ブローカーを通して行われていた多くの取引が、今ではスクリーン上での取引に移行している。この理由の一つは、リクエスト フォー クォート(RFQ)の利用が増加していることにある。RFQとはCMEグループの電子取引プラットフォームであるCME Globexにおいて市場参加者がスプレッド取引を執行できるようにする仕組みである。RFQは現在CME Globexで行うWTIオプションの出来高の13パーセントを占めている。

より複雑な取引を電子的に行う柔軟性により、市場参加者は従来ブローカーに支払っていた取引コストを節約している。そして、現在ではWTIオプション市場の流動性も高めている。金利や株式で電子取引に通じている企業の中には、エネルギー取引デスクを開設し、WTIオプションの事業化を展開しているところもある。

電子市場が持つテクノロジーの可能性は変化してきた。より複雑な取引をもっと多くの人々にさらに低コストで利用できるようになっている。そして、WTI原油にはまたとない最高のタイミングが到来している。8月に見てきたように、WTIがより価値のある取引となるに到ったインフラストラクチャーの変化と、電子市場のメリットを十分に活用する取引戦略の採用との融合が、また今後も続くことであろう。




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