燃料価格の低下は、種まき期に入った農家の助けとなるか

WILL LOWER FUEL PRICES HELP FARMERS IN PLANTING SEASON

2015年4月7日 || DEBBIE CARLSON

穀物価格の値下がりが原油安による費用削減を相殺する可能性が高いことから、原油価格の低下が今生育期に農家に及ぼす影響は限られたものとなろう。

原油価格は昨年の高値から50%近く下落しているが、ディーゼル油の価格はつい最近値下がりし始めたばかりで、農家は、種や肥料と言った投入物の価格は依然として上昇しているという。トウモロコシ、大豆および小麦の価格は1年前に比べ15%から20%落ち込んでおり、そのため農家ではこの春に何を植えようか悩んでいる。

「エネルギー価格の低下は、主要作付け決定にはたいした相殺要因になっていない」と、eBOTTrading.comの主任農業ヘッジ・ストラテジストであるJohn Kleistは言う。「ディーゼル油の価格が値下がりする場合、乾燥費が低下するかを見る必要があるだろう。これが肥料の価格まで浸透するかどうかはわからないし、大半の人は肥料を購入済みである」とも述べた。

ネブラスカ大学の農業経営および予算アナリストであるRoger Wilsonは、燃料価格が農家の主要生産物にどの程度の影響を与えるかは、農家がどのくらいエネルギーを使用するかに左右されるという。Wilsonの推定では、標準的なセンターピポット農法の農地を保有するネブラスカのトウモロコシ農家では、ディーゼル燃料価格が1ガロン当たり3.25ドルから2.35ドルに下落すると、生産の現金費用は1ブッシェルあたり2.98ドルから2.84ドルと、4.7%低下するという。

高い投入費用

これは助かることだが、肥料の価格は依然として高く、農家の予算の大半を食いつぶしているとWilsonは言う。これが、何人もの農業従事者が何を植えようか再考する原因となっており、その多くは、部分的には肥料の費用を理由に、トウモロコシより大豆の作付けを増やすことを検討している。

アイオワ州中西部で880エーカーを耕作するLarry Wuebkerは、最終決定を下す前に、春にかけてトウモロコシと大豆の割合を見ていくつもりだと述べている。

昨年、同氏はトウモロコシと大豆を半々で植え、その前の年は、70%をトウモロコシに、30%を大豆にした。今年は、隣人達がするとみられるのと同じく、トウモロコシより大豆を多く植える方に傾きつつある。

「種の売買人は、トウモロコシの種1袋(の売上)が落ちてきており、大豆の種は上昇していると言っている」とWuebker は言う。昨年の種の価格は、同氏の地域ではトウモロコシも大豆もほぼ同じで、肥料価格はわずかに高かった。土地の賃料については、今のところまだ予算を立てていないと同氏は言う。

ディーゼル油の価格を見ると、ある程度の費用削減が可能なはずである。

「1エーカー当たり、5ドルから10ドルの低下となる可能性がある」「自分は、今季(1ガロン当たり)2.05ドルでディーゼル油の契約を結んだ。自分の兄弟は1.76ドルという価格があったと言っている。これは昨年のほぼ半額である」とWuebkerは述べている。

これはWuebkerのような農家にとっては助けとなるが、エネルギー費用は総投入費用の小さな部分に過ぎない。同氏が1エーカー当たりに使うのは、わずか1ガロンから1.5ガロンである。

カンサス州のあるトウモロコシと大豆の農業経営者は3万エーカーを耕しているが、エネルギー価格の下落は自分にはたいした違いはないという。

「自分のような無耕墾農法を行っている農家は、1年で1エーカー当たり2ガロンのディーゼルを使うと見込んでおり、その85%が収穫用である。つまり、燃料価格が1ドル低下してもほとんど意味がない。1エーカー当たり2ドルというのは、1エーカー当たり700ドルという投資から見ると、たいしたことはない」と同氏は述べた。

穀物価格の低下

穀物価格の低下の方が、エネルギー価格の低下よりも農家にとっては大きな影響を及ぼしている。

私が話をしたWuebker氏もカンサス州の農業経営者も、穀物価格の低下は、農家にとっては「エリートである」トウモロコシや大豆のハイブリッドの価値の低下と見られると言っており、多くの者が無理なく手が届く、いつものハイブリッドの作付けを増やしているという。

「一部の人はかなり安い種を購入しようとするが、そういう種は技術不足で、おそらくは収穫量が低くなるだろう」と Wuebkerは述べている。

テキサス州のアマリロの北でおよそ3,500エーカーを耕しているJames Liebは、トウモロコシを植えるために地表灌漑用に使うディーゼル油や天然ガスに費やす費用が節約されるのは確実だろうと言う。しかし同氏は、現在享受しているエネルギー節約が、穀物価格の低下を相殺するかどうかについてはわからないという。依然として高い肥料価格が、今季はおそらくトウモロコシの作付面積が減る大きな原因である。

「肥料の価格が、天然ガスの低下によって下がるのではと考えていた。肥料を作るには天然ガスを使うと常に聞かされていたからだ」と同氏は述べた。

トウモロコシを作付けする土地については、Lieb は費用の安い種類の種や他のブランドも使うかもしれないと述べており、Wuebkerやカンサスの農業経営者と同じスタンスである。

「昨年は、トウモロコシは1ブッシェルあたり4.75ドルが平均だったと思う。今年もこのくらいは欲しいが、これほどにはならないと思う」と述べている。


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