ノーベル経済学賞受賞者ジャン・ティロールと先物の関係

NOBEL WINNER JEAN TIROLE’S CONNECTION TO FUTURES

2014年10月14日 || EVAN PETERSON

ここしばらく、毎回、複数の受賞者を出していたノーベル経済学賞は2014年、ジャン・ティロールただ一人の受賞となった。その意味では、これまでの流れが変わったとも言えるが、CMEグループとノーベル経済学賞受賞者との関係は、2014年も変化はなかった。 昨年の受賞者であるロバート・シラー、ピーター・ハンセンと同様に、ティロールも、革命的なクオンツの応用研究でCMEグループMSRI賞(2010年)の受賞者だったからである。 両賞を受賞したのはシラー、ハンセン、トーマス・サージェントに続いて、ティロールが4人目となる。

ティロールへのノーベル賞経済学賞は、競争相手が少ない環境下で、大企業の規制判断に関する分析に対して与えられたものである。 受賞発表の際、ノーベル委員会は、この分野での彼の功績を、次の様にまとめている:

産業分野の多くは、少数の大企業、または単体企業の寡占常態となっている。 こうした状態が放置されれば、コスト反映の範囲を逸脱した価格、新規の参入やより生産的な企業の参入を阻止することによって生き延びる非生産的な企業など、市場は社会的に好ましくない結果を導く場合が多い。

1980年代半ばから、こうした市場の失敗について、ジャン・ティロールは新しい息吹を吹き込み続けてきた。 市場で力を持つ大企業に対する彼の研究は、企業買収や合併、カルテル、市場独占などに対する政府の対応について、その政策の中心的な部分に深く関連する統合的な理論を提供するものである。

ティロールの関心はまた、産業組織、規制、組織論、ゲーム理論、財政論、マクロ経済、心理学など分野にも及んでいる。 さらに、2013年のCMEグループMSRI賞受賞者であるベンクト ホルムストロームとの共著で彼は、市場流動性についても論じている。「Inside and Outside Liquidity」と題されたこの論文は、金融危機発生時における安全資産の可用性に焦点が当てられている。そこでは、危機状態において、企業や国民が利用可能な範囲に借入コストを維持するために必要となる市場流動性を供給する能力を有しているのは政府であるとして、破たんした銀行の救済は納税者のコストで行われるべきではないとする一般の議論に、真っ向から対峙する論点で分析を行っている。CMEグループMSRI賞は毎年、称賛されるべき数理分野の研究、世界の金融市場の未来を形作る上で大きな影響を与え得るクオンツ・リサーチに対して授与される。 CMEグループMSRI賞についてさらに詳しく、また過去の受賞者のリストはこちらを参照。



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