新穀短期オプション: 農産物価格のイベント・ヘッジ

TODAYS NUMBER HEDGING AROUND AG NEWS

2014年8月8日 || STEVE STASYS

6月30日にUSDA(米国農務省)が発表した穀物在庫と作付面積に関する報告書では、トウモロコシの在庫が1億3,200万ブッシェル、また大豆の作付面積は、2013年比で11%増とされた。これは、事前の市場予想よりも相場を弱気にさせる内容で、生産者にとっては打撃的なイベントとなった。そして、トウモロコシと大豆の価格はこの後、大きく下落する結果にもなった。

7月11日に発表された世界農産物需給予測 (WASDE)も、大豆の期末在庫を過去最高水準とするなど、生産者を勇気付ける内容にはならなかった。そして現状の穀物相場では、トウモロコシと大豆を中心に、軟調な展開が続いている。 6月30日のUSDA報告書の発表を契機とする下落相場は既に、穀物価格でおよそ25%、大豆価格では11%に達している。

こうした相場環境を背景に、次のWASDE報告書が発表される8月12日が近づくにつれ、生産者はいくつかの難しい判断に直面している。例えば、「生産予想のさらなる上方修正を、相場は既に反映しているのか?」、「 新年度の穀物生産の予想が、さらに上方修正される可能性はあるのか?」である。もちろん、ヘッジ目的の市場参加者はUSDA報告書の内容や今年の全体的な天候見通しについて、ある程度の予測はしていた。 しかし、こうしたイベントが相場に及ぼす影響を調べるだけでは、十分とは言えないのも事実となっている。現代の農業従事者にとってより重要なのは、相場に影響するイベントにどう対処するのか、と言うことになってきている。

そして、最近のジョン・ロシアン・ニュースでDoug Ashburnが強調した様に、こうしたイベントに対処する主要な方法の1つに、新年度穀物の短期オプション(SDNCO)がある。 2012年の取引開始以来、SDNCOの累積売買高はおよそ240万枚に達しており、年初来で既に100万枚超となっている。さらに、最近の日中売買高平均が1万枚ペースとなっていることなどが示す様に、生産者やヘッジ取引の利用者は、このプロダクトが穀物の生育期間には特に有用であるとの認識を高めている。実際、収穫前の成長期、そして受粉期に相当する2013年の7月から9月には、50万枚のSDNCOが取引されている。

SDNCO graph

SDNCOは短期オプションのため、ヘッジ取引にはプレミアムの節約効果がある一方、その原市場(12月限先物)の納会までの期間には影響されない。

SDNCOの有効性は、6月30日のUSDA報告書発表まで連日、3万枚超の売買高が続いたことでも示されている。

実際、USDA報告書など、相場に影響を与える可能性のある短期的なイベントに対応するプロダクトとして、SDNCOはデザインされている。作付面積報告書は(71,000件の農家を対象にUDSAが行った調査を基に)、今穀物年度年にどの作物の作付けがどのくらい広範囲に行われたかを予測するものである。6月30日の報告書が招いた相場の再来も予想される中、リスク・ヘッジの手段として、SDNCOは生産者の間で広く認知されるに至っている。

さらに、次回の報告書発表が近づくにつれ、またその先、穀物の収穫期に入っても、生産者は引き続き、余剰穀物に対する手頃な価格保証を求めることになる。SDNCOは、穀物の供給サイドにとって極めて厳しい現在のシナリオに対して、生産者が自ら対処することを支援するプロダクトなのである。



Related Entries
CMEグループについて

CME Group
CME、CBOT、NYMEX、
COMEXから成り、世界を
先導する多彩な金融市場です。
グローバルおよび地域的経済・
金融に関するブログをお届け
します。CMEグループの日本語サイトはこちらをクリック。

CMEグループのリソース
CMEグループのツイッターで
@CMEGroupJapanをフォローください。
月次アーカイブ
検索
QRコード
QR
OpenMarketsについて
OpenMarketsは、CMEグループが発信するオンラインマガジンです。本ブログは、日本のトレーダー向けに、主に同マガジンから抜粋した記事を翻訳した
ものです。新たな商品紹介、
ケーススタディ、テクノロジー アップデート、今話題のトピックなど、デリバティブ産業への
従事にお役立てください。