オリンピックの金属: 金、銀、銅の市場を拝見

OLYMPIC METAL - A LOOK AT THE MARKETS FOR GOLD, SILVER AND BRONZE

2014年2月10日 || JODIE GUNZBERG

2014年ソチ冬季オリンピックを記念に、金、銀、銅(ブロンズ)について話してみる良い機会だと考えた。これらはオリンピックのメダルに使用される金属だ。 銅(カッパー)は青銅(ブロンズ)合金の主な金属であるため、インデックスの金属として銅を使用することにする。

では金から見てみよう。 弊社のパートナーである CMEグループのマネージング・ディレクター兼チーフエコノミストであるBluford Putnam金について話し合う機会があった。この時、安全な投資先、中央銀行による買い入れ、鉱山業者の操業停止の可能性としての金について話し合った。これらは全て、金の急騰または急落を引き起こす要因である。

2013年、金は28.3%下落した。これは金が32.8%下落した1981年以降で最も大きい年間下落率だった。その1981年の下落以降、25年間にわたり、金にとっての回復期間 が続いた。また、2013年には中央銀行 が金の買い入れを停止し、金のETPの動きを追う資産は約50%減少。もし歴史が繰り返されるのであれば、金にとって回復の道のりは長くなるかもしれない。しかし、現在は、多くがファンダメンタルズ次第となっている。

金を安全な投資先としてみなす投資家の多くは、金が本当に安全な投資先なのか疑問に思うかもしれない。 Bluによれば、金を安全な投資先として保有する投資家というものはいつの時代でも存在するものだ。しかし、中央銀行が貨幣の番人であり、金を保有しているのである。 中央銀行が金の買い入れを開始したのは1990年~1992年の期間であるが、価格が気に入らなかった、または、分散化するうえで自身のポートフォリオに十分な金が揃った、といういずれかの理由で、昨年の春以来買い入れを停止した。 このため、Bluは暴落の可能性は実際に衰えたと考えている。特に、多くの中央銀行が、さらなる惨事を回避するための行動を取ったのである。

中央銀行による買い入れの減速は、金にとって弱気であることが明白であるようだが、金融政策 と金との関係はかなり微妙なものである。Bluによれば、仮にインフレの兆候が見られるようになりつつもFRBが何ら行動を起こさなかった場合は、これが金価格にとって強力なものになる可能性がある。その理由は、FRBが立ち遅れとなってしまうからである。一方、FRBが早期に措置を取り、インフレより先に動きを取ることを決定した場合は先手を打つことになり、金にとっては都合の良いものではなくなるだろう。 Bluは、FRBがインフレに後れを取る可能性は高くなる ものの、2015年まではインフレは生じない可能性があると述べた。

Bluと私の話し合いのなかで最後に行われた内容は、金価格の下落に伴う金鉱山業者への影響を中心としたものだった。一部の金鉱山業者が2013年にマイナス局面に陥ってしまった一方で、影響を受けなかった業者もあった。これは、以前に高価格でヘッジし、価格を固定していたことが原因かもしれない。しかし、金価格が1,200ドルに近付くにあたり、鉱山業者が一部閉鎖されるかもしれないとBluは語っている。しかし、金価格に影響を及ぼすような金鉱山の閉鎖の反対の例は適用されない。なぜなら、金鉱山が閉鎖になった場合、金が消えることはないからだ。金価格のインフレがもっと大きくなるのは、中国やインドからの宝石類の購入から来るものである。

ではお楽しみ用に、メダルの金属について比較してみよう。以下は2014年ソチ冬季オリンピックのメダルの写真である。

Sochi medals

オリンピック選手全員にとっては金(メダル)がゴールである。しかし、投資家にとってはそうではないかもしれない。 金属がどのように積みあがっていくのか、統計での数字を見てみよう。 以下は金、銀、銅の累積リターンのチャートである。この期間中、金のパフォーマンスが最高でリターンは593%、次に銅が452%、そして銀が283%であることに気付いてほしい。

Metal graph

出所:S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス 1978年1月から2014年1月までのデータ。 過去のパフォーマンスは将来の結果を表すものではありません。このチャートは仮説に基づいた過去のパフォーマンスを反映したものです。バックテストされたパフォーマンスに関連した固有の限界に関する詳細は、この文書の最後にあるパフォーマンス開示をご覧ください。

しかし、リスクを検討せずにリターンを見る人はほとんどいない。所定の期間について、年率換算のボラティリティで測ったリスクは、銀が47.6%、金が27.3%、銅が26.3%だった。銀はボラティリティが最も高く、かつ、累積リターンが最も低かったものの、平均月次リターンは最高で、112ベーシスポイントの上昇だった。 この数値を比較すると、平均的な1カ月間について、金は73ベーシスポイント、銅は68ベーシスポイントである。さらに、上昇があった平均的な1カ月間について、銀の伸び率は8.9%と最高であった一方、銅は6%、金は5.2%だった。高いリスクを取ることは結果的に報われると結論付ける人もいるかもしれないが、下降局面についても見てみるだけ価値がある。 金の累積リターンが最高だった理由は、下落があった1カ月間の損失の平均-3.7%が、銅や銀の1カ月の損失平均(それぞれ-5%と-6.6%)よりも小さかったからである。

銅と金銀両方との間の大きな違いは、銅は産業用金属である一方、金銀は貴金属であるということだ。これが原因で、銅は金よりもインフレに敏感である。 銅が工業用金属であるという事実に基づいた、もう一つのい重要な違いは、需給モデルが大きくことなるということである。Bluが動画で言及したように、金鉱山が閉鎖するかどうかに関係なく金は採掘されるが、これは銅の場合にはあてはまらない。鉱石品位の引き下げ、機器の故障や不足、労働争議が原因で 銅の供給が抑制された。これによるインパクトは先物カーブの期間構造におけるロール・リターンで観察され、投資機会に活用できる。 銅、金、銀における過去の逆鞘順鞘を表す以下のチャートをご覧いただきたい。銅にとって逆鞘が高い期間には金と銀が欠落していることにお気付きだろうか。

Metal graph 2

出所:S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス 1978年1月から2014年1月までのデータ。 過去のパフォーマンスは将来の結果を表すものではありません。このチャートは仮説に基づいた過去のパフォーマンスを反映したものです。 バックテストされたパフォーマンスに関連した固有の限界に関する詳細は、この文書の最後にあるパフォーマンス開示をご覧ください。

該当する期間中の平均で見ると、銅のプレミアムやコンビニエンス・イールドは1カ月あたりプラス8ベーシスポイントであったものの、金と銀についてはそれぞれ45ベーシスポイントと49ベーシスポイントと、平均貯蔵経費が豊富だった。 逆鞘(プラスのロール・リターン)で表したプレミアム収益と、順鞘(マイナスのロール・リターン)で表した貯蔵経費の詳細については以下の表を参照のこと。

Metal table

出所:S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス 1978年1月から2014年1月までのデータ。 過去のパフォーマンスは将来の結果を表すものではありません。このチャートは仮説に基づいた過去のパフォーマンスを反映したものです。

カウントを集計し、ここでも青銅(ブロンズ)に銅(カッパー)を使用した場合、最高のメダルは、スポーツ選手とは違い、投資家にとっては明白ではない。要点は、金は堅調で、銀には上値の余地があり、銅は勝つためのヘッジになる可能性があるということだ。

Metal table 2

本記事は、当初Indexology blogに掲載されたものです。



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