東洋の新たな原油価格指標

THE NEW OIL BENCHMARK FOR ASIA

2014年1月29日 || OWAIN JOHNSON

将来予測に定評のあるBPの「2035年までのエネルギー展望(BP予測)」によると、世界のエネルギー市場は現在転換期にさしかかっており、今後20年で根本的に変わると指摘している。この主張は4年前から変わっていない。

もちろん、BP予測は、すでに周知のこと――つまりアジアのエネルギー需要が急増していくことを支持している。 驚異的なのはその数字だ。BP予測によると、2035年までに世界のエネルギー需要が41%増加するなかで、そのうちの約95%が、アジアを中心とする新興国からの需要になるという。 そして2035年までに地域別エネルギー純輸入分の70%をアジアが占めるため、適正価格の形成を主導する地域としての地位を確立していくと指摘している。

OECD graph

こうした予測から得られる結論はひとつしかない。アジアおよび中東地域が、決められた価格をそのまま受け入れてばかりの立場から、流動性と透明性の高いコモディティ市場でもって、独自の価格指標を形成していく立場へと変わることだ。

DMEに上場するオマーン原油先物が、この地域全体の先駆的存在として認められている。これまで独自の主導的指標を持たなかった地域に、東洋一の原油先物市場としての地位を築いているのだ。

WTI原油先物は、南北アメリカ大陸の指標として機能しており、シェール革命のなか、その役割はさらに重要なものとなっている。一方、ブレント原油先物は、もともと欧州およびアフリカで参照されている指標である。ただし、近年では、タピス油田(マレーシア)やミナス油田(インドネシア)などアジア産軽質スイート原油も補っている。

そしてDMEオマーン原油が、世界三大原油指標の3つ目となる。成長目覚ましい東洋の市場と関連性が最も強く、中東およびアジア全域の経済を正確に反映する唯一の先物なのだ。 事実、DMEで取引される原油の40%が中国向けである。

DMEオマーン原油の現物決済は、世界最大であり、毎月13~15バレルの石油の受け渡しがある。しかしそれ以上に注目されるのが、オマーン産およびドバイ産原油の輸出価格が、この先物から決められていることだ。

中東およびアジア全域で拡大している原油取引の懸け橋となり得る取引所は、DMEだけである。 DMEでは、出来高が着実に伸びており、また新たにシンガポール事務所を設置してアジアでの存在感を高めている。新規に取引所会員となるアジア企業も増加の一途だ(昨年はインドのリライアンス・インダストリーズ、三菱商事、丸紅が加入)。これらはDMEオマーン原油が、アジア市場で中東産サワー原油取引の最も信頼できる指標として位置づけられている証左である。

DMEは、2007年の設立以来、出来高を着実に伸ばしており、2013年の1日平均出来高(ADV)は、2010年の2倍超となる6355枚を記録した。もちろん過去最高である。

そして今年は、さらにそれを上回るペースだ。 DMEは、透明性のある価格形成の仕組み、そしてヘッジ取引のしやすいしっかりとした流動性の両方を顧客に提供しようと鋭意努力している。2014年は最高の成果を挙げようと、万全の態勢だ。 BP予測が正しく、近い将来、アジアの需要が原油市場で大きな地位を占めるのであれば、DMEはまさに時代の趨勢に合致した市場といえる。




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