アジアで英ポンドへの投資意欲が高まる

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2017年8月33日 || Jabir Patel

2016年6月23日、英国が欧州連合(EU)から離脱するか否かを決定するための重要な分岐点となったブレグジット(英国のEU離脱)を問う国民投票で英国人は賛成票を投じたことから、英ポンド(GBP)は、欧州の金融市場のみならず地球の反対側のシンガポールでも関心の的になった。

英ポンドが不足するビジネスが多いことを受けて、島国の共和国にある両替所が顧客の長い行列を経験しているという、事例報告がなされている点が興味深い。

全般的に、アジア取引時間帯における英ポンド先物の出来高は、2016年6月1日以来、27%増加した。

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英ポンド先物の出来高と英ポンド/米ドルのボラティリティ
また、英ポンド先物は、シンガポール時間で8:00~20:00までの時間帯に延長された点にもかなり興味深い。現に、英国に関連するイベントリスクが生じ、英ポンド先物の取引がアジアで大幅に増えた過去1年間にわたり、4つの重要な節目があった。

ブレグジット: 最もボラティリティが高かった日は、ブレグジット(英国のEU離脱)の是非を問う国民投票日で、英ポンド先物の合計出来高も最多だった。ブレグジットの投票日の翌日の2016年6月24日は、英ポンド先物の日次出来高は、アジア時間帯に50万6,000枚と過去最高に達した。

「可能な限り自由な取引」:2017年1月17日、欧州の単一市場からの英国の撤退に関するメイ首相による発言を背景に、英ポンド先物は、アジア時間帯に日次取引高が33万7,000枚と過去1年間で3番目に多かった。

解散総選挙の要求:2017年4月18日、メイ首相は、解散総選挙を要求して6月8日に総選挙を実施する方針を示した。メイ首相にとって、総選挙により議会で過半数を占める与党の保守党の議席数を増やし、それによりブレグジットの交渉期間中の自らの政権基盤を強固にすることが狙いだった。英ポンド先物は、アジア時間帯の日次出来高が28万3,000枚と過去1年間で4番目に多かった。

英国の選挙: メイ首相による決定は裏目に出て、保守党の議席は過半数を割りこ込んだ。メイ首相は、民主統一党(DUP)と連携して政権運営を続けられた。6月9日、CMEの英ポンド先物は、アジア時間帯に34万4,000枚と、日次出来高が2番目に多かった。

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また、これらの4日間には、日中の清算値が大きく変動した。過去1年間において、英ポンド先物全体の出来高が最も多かった日は、対ドルでの対する英ポンドの下落と一致していた。British-Pound-4-big-spikes-2016-640x345.png

シンガポール時間8:00~20:00に売買された出来高の上位商品のなかで、英ポンド先物は、今年5月の1日当たりの平均出来高に占める割合が最も高かった。

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英国は選挙の結果を受けて、ハングパーラメント(宙づり議会)に陥り、EUとの英国の離脱交渉は複雑な様相を呈するようになった。CMEグループのチーフエコノミストである ブル・プットナムは総選挙についてこれからが佳境になる可能性があると以下のように指摘した。

「長期的には、今回の結果により、英ポンドの不確実性がさらに高まり、両方向に動く恐れがある。選挙結果は、ブレグジットへの疑念を投げかけた。アジアを含め世界中のトレーダーは、今後も注視するだろう。」


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