新興国通貨のスワップの清算の伸びが加速

Emerging-Market-Swaps.png

2017年8月1日 || Jack Callahan

相対取引される通貨スワップ市場ではコスト圧力が強まり続けているため、市場参加者は、店頭(OTC)商品の自主的な清算を増やしている。2014年以来、G4通貨の金利スワップの清算は51%増加した一方、業界のG4通貨以外の15通貨の清算は118%急増し、1日の想定元本の清算額は790億ドルから2017年に1,710億ドルへと拡大した。

市場参加者が自主的な清算を行う最も一般的な理由は、清算により執行価格の向上、流動性プロバイダーの増加、他の清算済み商品との証拠金相殺による効率性、カウンターパーティ・リスクの軽減が実現されるからである。これらの要因に加えて、非精算取引(中央清算されない取引)に対する証拠金ルールを各国が導入していることは、自主的な清算に対するさらに大きなインセンティブとなっている。

市場では清算のメリットが実現されていることから、セントラル・カウンターパーティ(中央清算機関)に対して、相対取引される通貨スワップ市場が直面する課題の一部を解消するために、新たに商品の清算を開始してイノベーションを提供するよう求める声が高まっている。こうした需要に応えて、CMEグループは、韓国ウォンの金利スワップ(IRS)とインド・ルピーの翌日物インデックス・スワップ(OIS)の金利スワップの清算を7月10日に開始した。

「当社が重視しているのは、清算分野のソリューションを模索している市場参加者に対して、長期的に十分な流動性を提供する、ならびに取引の相手方となる、資金とオペレーションの効率性向上を実現することである」と、CMEグループの金融・OTC商品担当シニア・マネージング・ディレクターのSean Tullyは説明した。

自主的な清算

Credit Suisseは、ルピーのOISを初めて清算した清算会員だった。「当社のクライアントは、非清算取引に対する証拠金規制の導入に対して準備しているため、自主的な清算は、カウンターパーティ・リスクの管理、資金効率の向上、オペレーション処理の合理化にとって最重要である」と、対象商品の清算開始時に、Credit Suisseのプライムサービス担当ディレクターのJohn Dlubac氏は語った。

自主的な清算のトレンドは、2014年に形成され始め、その頃にCMEではメキシコ・ペソのTIIE(銀行間金利)スワップの清算が増加に転じたころだった。こうした動きは、ブラジル・レアルCDIスワップ(BRL)の清算が拡大し始めた2016年終盤に加速した。BRLについては現在、この商品の清算を利用する市場参加者は81社にのぼり、2017年の想定元本ベースでの清算の1日平均はほぼ70億ドル相当に達している。
Emerging-Market-Swaps chart 1
*データは2017年6月20日現在

BRLは2015年に取り扱いを開始し、受渡を行わない通貨の金利スワップの清算問題が解決されたゆえ、これは注目すべき出来事であった。韓国ウォンとインド・ルピーはともに、受渡を行わないため、CMEは、米ドルのキャッシュフローに交換するための外国為替換算および決済手続きを含め、ブラジル・レアルの清算における経験を活用することができる。

ウォンとルピーも開始

インドと韓国の経済規模は、それぞれ世界で第7位、第11位となっており、GDP(国内総生産)を合算すると3兆ドルを上回る。この2カ国は、金利スワップ市場のオフショア取引が活発で、想定元本ベースの1日平均出来高はは180億ドルを突破している。

7月10日の清算開始後、両通貨の金利スワップは、第1週目に清算された。
「第1週目に韓国ウォンとインド・ルピーの清算をお客様が利用したということは、これらの商品の自主的な清算について、アジアを中心に世界中の顧客と流動性プロバイダーからの需要が強かった証である」と、CMEグループの金融・OTC商品担当シニア・マネージング・ディレクターのSean Tully は説明した。

最初の2週間で6社の市場参加者が清算を利用したことは、OTC商品の清算開始では快挙である。参考までに、ブラジル・レアルCDIスワップは、6社の市場参加者が取引の清算に利用するまでに8カ月かかった。
Citiは、クライアントへの韓国ウォンとインド・ルピーのスワップ提供を初めて拡大した機関だった。「非清算取引に対する証拠金規制ルールが世界中で導入されていることから、自主的な清算は大幅に増える見通しである」と、CitiのOTC清算担当アジア太平洋責任者のThomas Treadwell氏は指摘した。

他通貨の需要

当社が市場参加者と自主的な清算について検討した際に、清算を希望する他通貨の金利スワップについてフィードバックを受け取った。中国元(CNY)、チリ・ペソ(CLP)、コロンビア・ペソ(COP)はリクエストの多かった上位通貨で、今年、過去のプライシング・データをもとにしたリスク分析の遂行を進めており、そのためこれらの3通貨の清算は、2018年第1四半期に取引開始できる。これにより、CMEで清算される金利スワップの通貨数は合計24通貨となるだろう。

Emerging-Market-Swaps table 1
*国際決済機関(BIS)が2016年4月にまとめた3年ごとの調査

当社が市場参加者と検討した結果、自主的な清算トレンドは当分、鈍化しないという結論に至った。2014年以降、金利スワップの清算のブームの間に清算が開始された新しいOTC商品を示している上の表からも、その傾向は明らかにみてとれる。


新興市場のスワップの清算についての詳細はこちらを参照してください



Related Entries
CMEグループについて

CME Group
CME、CBOT、NYMEX、
COMEXから成り、世界を
先導する多彩な金融市場です。
グローバルおよび地域的経済・
金融に関するブログをお届け
します。CMEグループの日本語サイトはこちらをクリック。

CMEグループのリソース
CMEグループのツイッターで
@CMEGroupJapanをフォローください。
月次アーカイブ
検索
QRコード
QR
OpenMarketsについて
OpenMarketsは、CMEグループが発信するオンラインマガジンです。本ブログは、日本のトレーダー向けに、主に同マガジンから抜粋した記事を翻訳した
ものです。新たな商品紹介、
ケーススタディ、テクノロジー アップデート、今話題のトピックなど、デリバティブ産業への
従事にお役立てください。