セレクト・セクター先物でFRB、財政政策、AMAZONに対する見方を反映

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2017年7月19日 || Debbie Carlson

株価指数先物のトレーダーは、材料に遭遇した際に新しいツールへの依存を一段と強めている。S&P 500指数のように市場全体を幅広く表す指数に完全に依存する日々は過ぎ去った。今では、保有ポートフォリオについて、戦術的な判断を下すために、S&Pセレクト・セクター先物に注目するトレーダーが増えている。

セレクト・セクター先物は、6月12日にE-mini S&Pセレクト指数先物の10銘柄の1日の出来高が121,805枚と過去最高記録を樹立した。その日の出来高は、想定元本が79億ドルにのぼり、全体の54%を公益セクターと金融セクターが占めた。

6月12日は、四半期のロールによる出来高は全体のごく部分に過ぎなかったが、今年のセレクト・セクター先物の取組高は着実に増加基調をたどっており、その日は12万2,650枚に達し、初めて10万枚の大台を突破した。

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主なカタリスト
では、なぜセレクト・セクターへの関心が突如高まったのか?

Deutsche Bankの株式・株価指数担当ストラテジストのHallie Martin氏は、「業種別の商品に対する需要の高まりは、連邦準備理事会(FRB)による金融政策の正常化とトランプ政権による財政政策の改革案が一因にある」と指摘した。

S&P 500指数全体のボラティリティは低いが、ボラティリティの業種間の格差は、金利の方向に対する市場参加者の見方の変化を反映しており、市場参加者は、戦術的ポートフォリオに対してより大きな投資機会を見出している。例として挙げると、それは、金融と公益との間のスプレッド取引に散見される。

「イールドカーブがスティープ化している局面は、金融セクターにとって好材料となる傾向にあり、フラット化している局面は公益セクターにとって好材料となる傾向にある」と、Martin氏は指摘した。

センチメントの変化についての一例は、資本財セクターへの投資家の資金フローの変化にみられる。「業種別上場投資信託(ETF)を代替的な指標に用いると、資本財セクターのETFは、大統領選挙後に75億ドルの資金流入となったが、6月にはその流れが反転して10億ドルの資金流出に転じたのは、ニュースのヘッドラインがインフラ投資の可能性の行き詰りを示唆したためである」と、語った。

「財政については、インフラ投資は、主なカタリストである。マクロについては、ドル安は輸出企業が恩恵を受ける」と、同氏は指摘した。

材料をもとに売買
また、大きな材料には、セレクト・セクター先物でポジションを構築するとより明確に対応できる。例えば、6月16日に報道されたAmazonによるWhole Foodsの買収の発表、生活必需品銘柄が反応し、安値で引けた。

「これまで、これらの見方を反映して取引する際、最も流動性が高い手段はS&Pの10業種に連動したETFファンドのセレクト・セクター SPDRを利用することだった」と、Martin氏は述べた。

「だが、最近の取組高が示すように、出来高と取組高が増加していることから、セレクト・セクター先物を活用する市場参加者が増えている。特に参加者が店頭スワップ市場から上場取引所に移行しているため、この商品にかなりなじみがある向きもあり、先物を活用してオペレーションとレバレッジでメリットを受けている向きもある」と、Martinは説明した。

「ここ数年間で(上場した)MSCI先物は、市場参加者がこれらの新しい商品の一部に慣れる助けとなり、それにより自分の見方をもとにより効率的に取引できるかもしれない。これらのS&P 500セレクト・セクター先物は、既に極めて流動性の高いETFをベンチマークとしているため、素晴らしい商品である」と、述べた。

Martin氏は、「セレクト・セクター先物の取組高は、6月に急増し、想定元本は67%増の86億ドルとなり、金融、公益、ヘルスケアの取組高と出来高が極めて多かった」と指摘した。

「また、ETFは、資金を全額入れなければならないが、先物参加者は証拠金を用いてポジションを構築できる。加えて、S&Pの業種別やS&P500指数であれ、スプレッド取引を用いる場合、セレクト・セクター先物の正味証拠金プログラムが存在している」と、同氏は指摘した。

「投資家は、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告で出来高、取組高、約定を見ることでき、これは、コンセンサスの見方に洞察を与えている」Martin氏は付け加えた。

「セレクト・セクター先物の動向を見れば、市場参加者のポジション構築状況について洞察を得られる」と、締めくくった。


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