ブロックチェーンを超えた電子決済へ

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2016年7月28日 || Peter Shadbolt

もしもタイムマシンがあれば、1900年ごろに飛んで、ロンドンの波止場を見に行くとよい。いろいろな形や大きさの貨物を(樽、茶箱、梱包など、船蔵に収まるものなら何であれ)積み降ろしている荷役労働者でごったがえした光景を目にするだろう。

そして、それから50年。貨物の世界に革命が起こった。コンテナ輸送の登場である。標準化された箱が、かつての半数にも満たない人的資源で、自動的に積み降ろしされるようになったのだ。

リップル社で戦略的顧客管理のグローバルヘッドを務めるマーカス・トリーチャーは、今まさにこうした革命に差し掛かっているのが「国際決済システム」だと語る。

「多くのエコノミストが指摘しているように、1950年から2000年にかけて世界貿易が7倍に拡大したのは、この非常に単純ながら創造的な革新のおかげでした。その観点から国際決済を見てみると、1900年ごろの世界貿易と非常に似通っているといえるのです」

「国境を越えたおカネのやり取りは、ほとんど標準化されていません。各国内でそれぞれの法定通貨がやり取りされているのに比べれば、はるかに面倒で困難です」

前の記事「価値のインターネット化」と 決済システム」でも触れたように、トリーチャーはロンドンで開催された「CME Group’s Tech Talk 5.0で、今企業が求めている決済システムについて述べている。それは、即時性があり、膨大な金額を僅少なコストでやり取りできるものだ。また運営管理が正確かつ簡単にできなければならない。

「アマゾン、ウーバー、アリペイなど、デジタル関連で成長している新興産業は、既存のサービスよりも、はるかに低いコストで、はるかに大きな金額で、はるかに大量の国際決済システムを求めています」

関連記事「価値のインターネット化」と 決済システム


ビットコイン取引のパブリックレジャー(公開台帳)であるブロックチェーンは、国際決済のひとつの解決策を提示している。しかし、トリーチャーは「それはまだ道半ばにすぎない」という。

「まさに21世紀ならではの世界的な資金移動の方法を創造するには、ブロックチェーンで十分に適応するといえません。ブロックチェーンの思想と技術をかなり違ったやり方で応用する必要があるのです」

現在、リップル社が取り組んでいるのは「インターレジャー(中間台帳)」の概念である。標準化されたプロトコルを使って双方の台帳をつなげるという発想だ。それはブロックチェーンの分散型台帳と暗号技術の思想を多分に取り入れているものの、その処理で国際決済と銀行をつなげている単一のブロックチェーンに集中せずに済む。

「私たちがやりたかったのは、銀行を直接的に、ただし中央集権的なものは何も存在することなしに、つなげることでした。ブロックチェーンを超える必要があったのです」(トリーチャー)

リップル社では、このシステムには資金移動の開放と民主化をもたらす可能性があると考えている。

「25億の人々が銀行システムから排除されています。インターレジャーが連結したシステムによって、この人たちが、その世界と極めて簡単につながりを持てるのです」



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