マイナス金利は課税であり、刺激策にはならない

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Blu Putnam 2016年4月21日

2016年、日本銀行が日銀当座預金の超過準備へのマイナス金利適用に踏み切り、市場は意表を突かれた。次に、欧州中央銀行(ECB)がマイナス金利政策について、マイナス幅を拡大した。ともに、その瞬間には自国通貨安となったものの、その後すぐに流れが逆転し、持続的な通貨高が誘発され、これは日銀もECBのいずれも意図していなかった展開であったのは明らかだ。

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マイナス金利は、信用の拡大と支出を促進するはずだった

中央銀行によるマイナス金利政策は、銀行にさらなる信用の拡大を促せ、消費者と企業が支出を拡大できた場合のみ機能する。これが起こっていない理由は2つある。

1つ目は、商業銀行は、中央銀行に支払うマイナス金利を個人や企業の顧客に転嫁できるとは極めて考えにくい。現に、一部の顧客は、流動性維持を目的とした預金残高に対する手数料を回避するために、金の現物や多額の現金を貯蔵している。そして、さらに悪いことに、銀行はいずれにせよ貸出を増やせない。欧州と日本では、銀行は既に、規制資本の要件に突き当たっている。したがって、マイナス金利による課税効果により、利益が減少して、資本の積み上げがより困難になっている。

そのため、中央銀行によるマイナス金利政策は、より正確には増税と金融引き締めであると解釈されるかもしれない。このように解釈すると、マイナス金利政策の導入後の余波で為替レートが上昇した理由を説明できる。国は、マイナス金利が銀行システムにもたらす不利な影響により瀬戸際に立っているため、より効果がありそうな別の政策を選択すると予想している。

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Bluford (Blu) Putnamは、2011年5月からCMEグループのマネージングディレクター兼チーフエコノミストとして活躍。台頭しつつあるトレンドの特定、経済要因の評価とその影響に関する予想を作成し、グローバル金融市場に対する主要な経済分析を担当している。CMEグループに入社する前は、中央銀行および投資リサーチ、ポートフォリオ運用を中心に金融サービス業界において35年以上の経験を有する。同氏は、国際ファイナンスに関して5冊の本の著者である。



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