今日の数字「アルミ取組高100万トン突破」

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2016年6月5日 || Youngjin Chang

この金属はヘッジ不能なのだ」――。2年前、在庫のアルミニウム価格に加算される割増金が大きな問題となったとき、ある大手製錬会社の社員がそう説明した。それほどまでに割増金の上昇は激しかった。米中西部では倉庫からアルミを調達しようとしている企業に対しての割増金が、その金属にかかる全コストの20~30%にまで達したのである。結局、割増金はそこから急激に下げた。しかし、この高騰劇をきっかけに、大手アルミ製錬会社や商社の間で、その金属にかかるコストをヘッジする方法に、ある変化が広がっていくことになった。

その変化の一因となったのが、割増金のヘッジがやりやすくなった先物商品の新規上場である。そして、割増金の乱高下にヘッジが必要だと多くの企業が理解したのだ。割増金のボラティリティは、2016年上半期に割増金が全コストの7~8%に下がって、ようやく低下した。ボラティリティが落ち着くと、取引量は減少すると考えられがちである。しかし実際に、ここ数カ月にわたって見られるのは、それとは逆の結果だ。

CMEグループに上場する4地域のアルミ割増金商品が、6月に出来高・取組高記録を9回も更新し、取組高は合わせて100万トンを超える水準に達したのである。

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ヘッジというと、単にファンダメンタルズが変化したときにだけ何かしら変動するものを利用すればよいと思いがちである。しかし、ここ2年にわたる環境の変化で、多くの商社がアルミコストのヘッジは通常業務の一環であると気付いた。そして、この環境に適した解決策がCMEグループのアルミ先物であると分かったのだ。その理由のひとつが現物決済である。2年前から、いくつかの企業は、この新規商品の利用に好意的であった。そして、今日ついに取引システムが設置されるようになり、それが現実のものとなっている。いったん大手数社が意を決して参入すると、他の多くはそれに従った。

ボラティリティは低下している。しかし、アルミ市場では新たな日常が始まった。その象徴が価格リスクを管理しようという「取組」の記録的増加なのだ。


中国では製造業の枠外でクラウドがどう展開しているのか

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2016年6月5日 || OpenMarkets

けん引役の製造業からの移行を進めるために、サービス産業の成長に重点を置いている中国は、発展の新たな段階にいる。 現在、中国は、銀行、会計、データ分析、その他のホワイトカラーのサービス産業の形態で、他のどの国よりもサービスを多く輸入している。

しかし、中国の情報産業の更なる高度化と国内経済を対象とした新規サービスを対象とした転換は進行中であるばかりか、海外市場への注力を一段と強めている。 このため、クラウド・コンピューティングに係わるデータ分析や他のデジタル・アプリケーションに対する需要に拍車がかかっている。

多数のサービスプロバイダーが存在しているが、クラウドベース・コンピューティング向けの市場では、世界第2位の大国への適用はいまだ初期段階にあると考える専門家は大勢いる。Peng Yang教授は、クラウドサービスの開発を支援する中国のクラウド・エクスチェンジ・プラットフォームであるUR Inc.の有力リサーチャーである。クラウドが中国の経済改革にどのような役割を果たしているかについて、同氏に話を伺った。

OpenMarkets:中国は、製造業の枠を超えて、サービス・消費主導の経済へ移行する意思を示唆しています。 クラウドは、こうした変化の促進に、どのような役割を果たすとみられますか。
Peng Yang教授: UR Inc. は、中国の発展の次段階は、政府、産業、企業が急速な技術採用で導入できる、オープンで多機能のサービス主導型クラウド・プラットフォームが基盤になると考えています。クラウドで極めて幅広いステークホルダーが集結することは、都市機能、経営、国民の生活のあり方を変える画期的なモデルです。いずれは、中国による製造業から消費主導型への移行の推進力となるでしょう。

クラウドは、様々な商業セクターにおいて、効率性を高めるとみなされています。中国では、クラウドベースのサービスの急速な適用が予想されるのは具体的にはどのセクターでしょうか。
景気後退を受けて、中国の大企業と産業の多くは、IT投資の削減に直面しています。業務の効率向上と事業革新の促進を目指し、レガシーなインフラを活用して再活性化する方法が、かつてないほど熱心に模索されています。クラウドを取り入れている主なセクターは、金融サービス、ヘルスケア、通信、製造業です。

ファイナンスに関して、伝統的な銀行と保険会社は、顧客の次の行動を最適予測するために、フロントオフィスのイノベーション、迅速なアプリケーション開発モデル、ビッグデータ分析で競争圧力にさらされており、そのいずれに対してもUR Inc.のクラウド開発プラットフォームとビッグデータのクラウド・ソリューションを活用できるのです。

具体的に中国という枠内において、地方政府、非営利団体、またはコミュニティ・グループがクラウドベースのアプリケーションから恩恵を得られる手段はどのようなものですか。
中国では、当局があらゆるレベルにおいて、環境、経済、生活の質の恩恵に関し、政府と国民がITの新しいスタイルを確立する差し迫った重要性がみられます。中国のIT支出全体の10%は、今後5年間でよりスマートな輸送、よりスマートなヘルスケア、スマートな水利用に向けて小規模都市のイニシアティブに直接関連して振り向けられる見込みです。

より具体的に述べると、これらは、ステークホルダーが同じミッション、統治、安全保障の要件、そして政策を共有できる中国の小規模な都市が含まれます。教育という点では、中国の大学は、地方政府の技術革新を手助けするために、ビッグデータのインキュベーション・ラボとデータセンターを支援しているところが多くあります。

中国の「 一帯一路」構想は、域内の貿易相手国との関わりの強化を掲げる政府の政策を反映しています。海と陸のシルクロード経済圏構想では、クラウドベースのサービスがこうした政策の大望を達成するのにどのように役立つと思われますか。
海と陸のシルクロード経済圏構想に加えて、貿易相手国のインフラ、ビジネスモデル、業務プロセス、データフローは、皆異なっています。そのため、UR Inc.は、Hewlett Packard Enterprise(HPE)やその他S&P 500指数の構成企業 と提携しています。弊社は、あらゆる点をつなぐオープンでハイブリッドなクラウドモデルに着手しました。 トレーダー、買い手、サービスプロバイダーはすべて、データ、アプリケーション、インフラのホストを問わず、リソースの活用と自動化に関して透明性の高い単一ビューの恩恵を受けることができます。これにより、あらゆるパートナーが小規模なインフォーマルなコミュニティ、そして大規模な正規の機関ともに容易に係わることができるのです。

中国では、クラウドベースのサービスプロバイダーと中国企業との提携を発展させている外国企業が多数存在しています。中国のクラウドに競争激化がどのような影響をもたらすと思われますか。
現在の規制下では、多国籍企業(MNC)は、クラウドサービスの運営免許を直接取得できませんが、現地で免許を保有するパートナーとは協働することはできます。 MNCにとって一つのモデルは、クラウド・プラットフォームを実現してその稼働を保証するための技術を提供し、一方で現地のベンダーが、 帯域幅のリソース、ユーティリティー管理、顧客の取得に注力するという形です。このようなパートナーシップ体制を組めば、 UR IncとHPEのように、中国企業と外国企業の双方に極めて大きな機会が生じます。

中国の産業の多くは、過剰設備に苦しんでいます。クラウドはその一つになりますか。
中国では、多くの人が市場参入を試みたため、クラウドは既に供給過剰となっています。しかし、現実には、これらの企業の多くは、コロケーションサービスを提供しているだけなのです。全般的に、クラウドは供給過剰になっていると言ってもいいですが、クラウド上のソフトウェア・サービスという観点から見ると、需要は旺盛で、供給は不足しています。

この先10年間で、実現する可能性が高いと思われる大きな変化について、どのように想定していますか。
私は、将来的にオンラインで主治医に相談することができるようになるよと、母に話しています。これは大きな恩恵です。たとえば、北京では、医者の診察予約を取るのが非常に難しいのです。そして、診察してもらうときには、十分な時間が取れないことが多々あります。毎日、数百人もの患者を扱うからなのです。ビッグデータとクラウド技術を活用すれば、医者は、診断に多くの時間を費やせるようになりますし、よりよい治療を受けられるようになるでしょう。

中国のシリコンバレーはどこになると言えるでしょうか。
クラウドの地域センターは、北京だと思いますし、インターネット企業は大部分が北京に拠点を設けています。中国においてインターネット関連事業を展開したい外国企業にとっては、北京に拠点を設ける必要があります。

今のところ、北京に対してどのような印象を受けていますか。クラウドに関して、実際に勢いと楽観論が存在すると考えていますか。
かなりそう思います。北京では毎年、新卒者が50万人を超えています。北京には、若い人たちが大勢います。全般的な雰囲気としては、多数のインターネット会社が誕生して、極めて活気に沸いています。人々はイノベーションを得ており、自らの夢である企業への資金を賄うための資金を調達しています。



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