歴史的な記録を打ち立てたばかりの大豆市場

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Susan Sutherland 2016年4月26日

大豆市場は、4月19日と20日の先物とオプションをあわせた総取引枚数の日中記録を2度も更新し、4月の週に歴史的な記録を打ち立てた。誕生してから約80年しかたっていない市場にとっては、小さな出来事ではない。

数ヶ月にわたり取引高が横ばいから減少で推移した後、価格は3月初頭に、ほぼ2ヶ月間続いた上昇基調を開始した。大豆市場はこれまでテクニカル的に見て売られ過ぎの状態にあり、ファンドは大量のショートポジションを抱えており、月の中旬からポジションの手仕舞いを始めた。

その後、大豆の主要生産国アルゼンチンにおける持続的な大雨により、収穫が大幅に減少する兆候が見えた。降雨が数週間続いたため、ファンド勢はロングポジションへ転換し、価格は上昇して、ファンドがロングポジションを構築し始めた4月18~20日に市場では猛烈なペースで取引が増えた。4月21日までには、先物の7月限月の価格はその週に80ドル上昇し、上昇率は8%を超えた。

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4月20日の先物とオプションを合算した出来高は103万5,370枚と、大豆は1日の出来高で初めて100万枚を突破した。前日に達成した前回の記録から26%増加した。これは、その週の間に、大豆市場で達成された複数の取引関連の記録の中の2つを占めた。

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しかし、どうしてこの降雨関連の材料にこれまでよりもはるかに大きく取引が刺激されたのだろうか。正確に把握するのは難しいが、ファンド勢の取引が需給の実態に過剰反応した可能性を軽視できない。

1つの考えられる回答は、アルゼンチンの大雨の深刻度である。数週間前から一貫して降り続け、土壌はぬかるみ、危機的な状況になっていた可能性がある。Wall Street Journal紙は、大豆の収穫量の喪失によってアルゼンチンの農家には最大20億ドルの負担が生じ、政府は最大6億ドルの税収を失う可能性があると報じていた。

もう一つの他の可能性は、スプレッドの動きである。7月限と11月限との価格スプレッドは、4月19日と20日で0.35縮小し、短期的に劇的に変化した。こうした背景から、ロングポジション解消を強いられ、他の多くの市場参加者が同市場に注目してスプレッド市場で新たにポジションを構築した公算は大きい。

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この時期において、穀物と油糧種子の取引高が高水準に達するのは異例である。米国の農家は作物を作付けしている最中で、南米の農家は作物を収穫しているため、ファンド勢とその他参加者は、供給量の変化と動向に立ち向かっている。

もちろん、感情面に左右された環境は、短命になりうる。4月22日までに既に、取引高が再び高水準に達したが、アルゼンチンが乾燥した天候に戻るとの予報が公表され、大豆価格は大幅下落となり、今週はロングポジションの売り(手仕舞い)が出ている。



マイナス金利は課税であり、刺激策にはならない

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Blu Putnam 2016年4月21日

2016年、日本銀行が日銀当座預金の超過準備へのマイナス金利適用に踏み切り、市場は意表を突かれた。次に、欧州中央銀行(ECB)がマイナス金利政策について、マイナス幅を拡大した。ともに、その瞬間には自国通貨安となったものの、その後すぐに流れが逆転し、持続的な通貨高が誘発され、これは日銀もECBのいずれも意図していなかった展開であったのは明らかだ。

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マイナス金利は、信用の拡大と支出を促進するはずだった

中央銀行によるマイナス金利政策は、銀行にさらなる信用の拡大を促せ、消費者と企業が支出を拡大できた場合のみ機能する。これが起こっていない理由は2つある。

1つ目は、商業銀行は、中央銀行に支払うマイナス金利を個人や企業の顧客に転嫁できるとは極めて考えにくい。現に、一部の顧客は、流動性維持を目的とした預金残高に対する手数料を回避するために、金の現物や多額の現金を貯蔵している。そして、さらに悪いことに、銀行はいずれにせよ貸出を増やせない。欧州と日本では、銀行は既に、規制資本の要件に突き当たっている。したがって、マイナス金利による課税効果により、利益が減少して、資本の積み上げがより困難になっている。

そのため、中央銀行によるマイナス金利政策は、より正確には増税と金融引き締めであると解釈されるかもしれない。このように解釈すると、マイナス金利政策の導入後の余波で為替レートが上昇した理由を説明できる。国は、マイナス金利が銀行システムにもたらす不利な影響により瀬戸際に立っているため、より効果がありそうな別の政策を選択すると予想している。

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Bluford (Blu) Putnamは、2011年5月からCMEグループのマネージングディレクター兼チーフエコノミストとして活躍。台頭しつつあるトレンドの特定、経済要因の評価とその影響に関する予想を作成し、グローバル金融市場に対する主要な経済分析を担当している。CMEグループに入社する前は、中央銀行および投資リサーチ、ポートフォリオ運用を中心に金融サービス業界において35年以上の経験を有する。同氏は、国際ファイナンスに関して5冊の本の著者である。



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