原油価格が米国の成長に及ぼす影響

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2015年6月22日 || DAWN KISSI

2014年に1バレル当たり107ドルと2014年の高値を付けた原油価格は、今年3月に同43ドルの安値水準まで下げた。原油価格はその後反発したが、過去8ヶ月間における価格下落を背景にエネルギー関連の生産減の兆候が現れている。

セントルイス連銀がまとめた月次の鉱工業生産報告によると、5月の油井・ガス井の生産量は8ヶ月連続の減少をみせた。過去6ヶ月間で減少ペースは大幅に加速し、油井・ガス井の生産量は前年同月比51%減少した。

Deutsche Bankによると、2014年8月の間に油井・ガス井採掘の生産量がピークに達し、そして2015年3月に生産量が年率64.9%減少した。6ヶ月間で生産量がこれ以上減少したのは、他に2回しかない。

原油安は生産に影響をもたらすかもしれないが、消費者にとってはポジティブとなるだろう。原油安と米国経済におよぶその影響について別の見解を得るために、Moody’s Analytics のチーフ・エコノミストのMark Zandi氏に話を伺った。

原油価格が現在のレンジにとどまれば、米国経済にどのような影響が及ぶのでしょうか。

原油価格の下落は、米国経済そして世界各国の大部分にとって差し引きすれば大きくポジティブである。エネルギー・セクターが打撃を受けているのは明らかではあるとはいえ、原油安は、実質的に消費者にとって大幅減税のような効果を持つ。原油価格が今年平均して1バレル当たり65ドルで推移すれば、2015年の実質GDP成長率はほぼ0.5%押し上げられると思われる。

原油安は経済にどのような影響をもたらすでしょうか。

米国の短期的な成長見通しは良好であり、これは原油安が一因であるだけではなく、低金利や賃金の伸びの回復がみられる労働市場の好調さも要因にある。リスクは存在するものの、経済は、来年のこの時期までに完全雇用に達する基調をたどっている。

下落トレンドの影響を既に経験しているということでしょうか。

消費者はいまだ、原油安による節約分を支出していない。貯蓄率はかなり上昇している。とはいえ、消費者はガソリンの価格下落が今後も続くと確信しており、当座預金に節約分が積み上がっているため、今夏にはもっと支出を増やし始めると予想する。

原油価格が特定の国に異なる影響をもたらすことはわかっているが、米国の地域についてはどうでしょうか。

原油安の影響は、米国各地でかなり異なっている。おおよそノースダコタ州の南部からテキサス州にかけて広がるエネルギー生産地域は、大きな打撃を受けるとみられる。ヒューストンは、原油安を背景に低迷しそうな最大の都市である。その他残りの地域は、原油安の恩恵を享受すると思われ、家計支出に占めるガソリン予算の割合が最も大きい南東部は特にそうなろう。



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