銅先物、2017 年に歴史的なスタートを切る

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2017年2月16日 || Youngjin Chang

COMEX銅先物は、2017年に早いスタートを切った。どのぐらい早かったかというと、2月13日に、取組高が今年14回目となる記録更新を果たしたほどだ。この記録には、1月終盤から2月初頭にかけての11日連続の記録更新が含まれている。ほぼ30年前に登場したプロダクトについて、なぜ歴史的な月になったのかを理解するのは簡単だ。今回の急増の場面の背景にある要因を検証していこう。

経済要因
銅は、過去1年間の大部分において変動の激しい市場であった。 2016年1月初頭、銅価格は中国経済のソフトランディングを示唆する指標の発表を受けて落ち込みをみせた。銅は、産業インフラに用いられる主要素材であり、中国は世界の供給量の約40%を消費しているため、その景気見通しになんらかの動きがみられると、それが世界中の銅価格に反映される可能性が高い。現に、銅先物の出来高は、中国経済の不透明感が高まってから9四半期連続で伸びを示し、出来高は2014年第4四半期の340万枚から、2016年第4四半期に640万枚までに膨らんだ。

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何が起こっているのか
こうした環境下において、銅価格に対するリスクをヘッジする必要が出てきた当業者と投資家が増えてきた。前代未聞の11日連続記録を果たしたCOMEX 銅先物に対する最近の関心の高まりが特に強かったのは、中国の影響にその他の要因が加わったことで、銅先物のボラティリティが高まり、価格の反発を招いたためである。 トランプ政権が重視する1,400億規模のインフラ投資計画の公約を受けて、多くの市場関係者が銅需要の全体的な拡大を予想している。

検討すべきその他の要因は、米国が銅の純輸入国になることである。 つまり、新政権による税制改革、貿易、インフラ投資も、価格に影響をもたらしそうであるが、現段階では不明である。

一方、中国の需給は、2016年第4四半期に変化し、需要が上向き、公表された銅在庫は予想を下回った。また、2017年の中国経済の回復を示す予想は、投資家の意思決定と銅市場への当業者の市場参加者にとってリスク要因になる可能性は高い。さらに、米国の需給は、中国の景気減速見通しが米国の需要を背景に上向く可能性があるとの見方が浮上した。

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次に何が起こるのか
北米の銅の当業者の大部分は、たとえ取引をしていないとしても、COMEX 価格を表示している。COMEX銅先物は、建設会社からヘッジファンドにいたる多岐にわたる市場参加者の間で、米国の価格指標となっている。2017年の銅先物の出来高は、記録的な水準に達しており、世界で生じるイベントによって、取引に参加する企業や価格変動と不透明感に対するリスクをヘッジする企業が増えている以上、銅先物の価格と出来高は、金属相場だけではなく、潜在的に米国経済に対する注視すべき主要バロメーターになると思われる。

この投稿のバージョンはBarron’sに最初に掲載されました。



中国投資家は、何故これまで以上の投資機会を得たのか?

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2017年1月27日 || OpenMarkets

国内消費増加に支えられ、より正常な成長率で発展を遂げる中国経済が世界の注目を集める中、中国の消費者が経済成長のバックボーンを成すことが明らかになってきた。

資産運用面では、新テクノロジーの導入により、台頭する中間層人口にとって投資の選択肢が広がっている。

インターネットアプリそしてオンラインプラットフォームの登場は、国内の株式のみならず海外市場における投資をも容易に可能にした。中国投資家にとって、これまで決してあり得なかった選択肢だ。

現在起こりつつある変化や新しいテクノロジーが中国投資家に与える影響について、CMEグループのマネージング・ディレクターであり、アジア太平洋地域の責任者であるChristopher Fixがどう考えるかについて話をしてもらった。また、業界インサイダーの観点から、Futu Securities International社の最高経営責任者であるDennis Wu氏にも参加していただいた。以下は、両氏とのインタービューを編集したのものだ。

OpenMarkets: 昨今、多くのオンラインアプリの登場により、中国本土の投資家は国内株式市場のみならず、海外市場でも簡単に投資できるようになりました。どのような要因が、これらのアプリへの需要増加に拍車をかけているのでしょうか?

Chris Fix: 現在中国では、多くの要因により変化がもたらされています。ここ数年の中国経済では膨大な流動性が創出され、広義での通貨供給量を意味するM2は2007年以来4倍に増加しました。一方、政府は住宅市場への投資過熱を避けるべく規制を厳しくし、景気は減速傾向にあります。結果、キャッシュが増大し、投資家は資産運用を多様化する方法を探しています。

OpenMarkets: 過去3四半期間において、資本流出、景気の減速、そして中国元を押し下げるようとするプレッシャーが広く取沙汰されてきました。中国本土の投資家は国内に資金を留めることに満足しているのでしょうか? また、資本を国外に出すことにより資産をヘッジする必要性は、投資用アプリへの需要をどれほど高めているのでしょうか?

Dennis Wu: 中国における中間層の投資家は、香港や米国の株式や先物取引へアクセスすることにかなりの関心を持っています。中国はより外に目を向けるようになってきており、その傾向は適格国内機関投資家プログラム(Qualified Domestic Institutional Investor program)や上海・香港両株式市場の相互乗り入れプログラム(Shanghai-Hong Kong Stock Connect)のような政策にも反映されてきています。その結果、中国本土の投資家は今や香港市場における株式出来高の約18%を占めるようになりました。今月後半には、深圳・香港両株式市場の相互乗り入れプログラム(Shenzhen-Hong Kong Stock Connect)が立ち上げられ、資金フローが一定の割合で持続的に増加することが期待されています。

上記ストックコネクトプログラムは双方向の取引を可能にするが、殆どの場合資金は中国から流出しているのが現実です。その原因の一つには、中国に投資可能な資産が不足していることにあります。すなわち、一般投資家は、より安値の市場における株式や先物等の外貨建資産を求めているというわけです。 先物取引に関しては、外国市場が適切な商品を取引できる唯一の場所となっています。例えば、為替変動リスクの回避を考える投資家は、グローバル市場における通貨先物や他商品に目を向けるでしょう。世間で中国不動産バブルが懸念される中、中国政府当局は資金が合理的なペースで国外へ流出し、国内資産バブルを緩和してくれることを歓迎しているのです。

OpenMarkets: 中国元緩和が持続した場合、オンライン取引アプリや他のオンライン資産管理ツールへの需要にどのように影響しますか?

Chris Fix: オンライン取引アプリの主たる利用者グループは、最近財を築いた若い世代であり、オンライン環境には馴染みがあります。国内における投資選択肢が限られているため、彼らはオンラインプラットフォームを迅速に取り入れています。彼らより上の世代は通常新しいテクノロジーを敏感に受け入れることは少ないが、彼らもまたゆっくりではあるが徐々に採り入れ始めています。中国では、個人が確立した金融システムを介して国外に送金できる上限は年間約5万ドルと制限されています。しかし、そのためには長期にわたるプロセスを経なければならず、更に純資産100万ドル以上という条件を満たさなければならないため、その実現には高い障壁があります。この点も、通常新しいテクノロジーには慎重なタイプの投資家も、オンラインアプリ導入に興味持ち始める要因となっています。中国元以外の外貨建て資産への多様化は、今後一層続くであろうトレンドであり、一般投資家がグローバル市場でのリスクをヘッジするための商品を活用するに伴い、現在進行中の中国元の国際化もまた、先物取引への関心をより一層高めることになるでしょう。

OpenMarkets: 一般投資家に役立つプラットフォームという観点から、既存のプラットフォームは十分にその役目を果たしているでしょうか? それとも、業界を揺さぶるような新しいプラットフォームが登場し導入される余地はまだあるのでしょうか?

Dennis Wu: オンライン取引プラットフォームは、中国の中間層にとって、海外市場における取引を可能にする新しい道を切り拓きました。ある推定によれば、現在1100億元と言われる中国の投資可能な資産は、2020年末までに約1960億元までに増加すると予測されています。誰もがフィンテック(金融テクノロジー)を口にするようになり、この新興市場の規模は確実に注目を集めています。金融サービスの必要性規模が注目を浴びる中、昨年度、いくつかの新しい取引アプリが登場しました。鉄鉱、綿、そして卵までをも含める広範囲の資産クラスにわたる取引を可能にするオンラインアプリも登場しました。弊社ではこれらの新しいサービスの登場を楽観的に観ています。なぜなら、改善の余地がある段階において、新しいサービスの登場はサービスの質を高めることに繋がるからです。市場データ、ニュース、そしてソーシャルメディアを介して互いの見解や意見を共有する等の分野において、ツールをより高度に改善する大きな可能性があり、市場はそれらの競合を十分に吸収することができ、それから利益を得ると考えています。

OpenMarkets: 中国本土の一般投資家は、昨年6月以来の株式市場暴落で大打撃を受けました。現在、投資家は株式市場をどう見ているでしょうか?リスクを再び受けいれる準備はあるでしょうか?

Dennis Wu: 大きな市場変動の後、投資家は当然見直しすることを強いられます。弊社では、中国株式市場に対して悲観的観点から徐々に自信を回復しました。資金フローのデータによると、投資家は慎重ではあるが、徐々に株式に戻り始めていることが分かります。投資家はショックから立ち直り、新しい投資機会へと前向きに進んでいるようです。

Chris Fix: 投資家の自信回復に重要なことは、市場が安定している、そして市場には流動性があり、毎日の出来高があるため、資産価格の変動を緩和できると実感することです。最近、中国国内市場において取引される商品価格に過度な変動がありました。大規模な資本流入により引き起こされた投機であるという見方をする評論家がいます。

いくつかの新興市場において、このような動きは悪い結果を招いてきました。よって、投資の多様化を望む中国本土の投資家は、商品先物のリスクを維持しながら、長期的には海外市場への投資を考えることが有益でしょう。

OpenMarkets: より自由な資本フローという観点から、中国は既存の障壁をどのように是正していくでしょうか? 中国から世界にむけて資本フローを自由化するという観点から、何か重要な政策変更が近々予定されているのでしょうか?

Chris Fix: 中国からの資本流出をより取り締まるというのが現在の傾向です。10月には、中国で最も人気のあるバンクカードを発行する中国銀聯は、中国本土の利用者がデビットカードを使用して香港の保険貯商品を購入することを制限すると発表しました。中国本土の利用者がカードを利用して事故、死亡、疾病時保険商品を購入することは引き続きサポートする予定です。中国監督機関は、穏やかではあるが確実に資本流出の源の取締りに力を入れています。

また、同10月に、中国元が国際通貨基金の特別引出権に加えられ、中国は深圳や杭州のような市にスタートアップハブを発展させる動きを一層強めました。上海の自由貿易地域もまた、外国投資家による、その地域の中国系証券・先物取引会社の株式保有率を引き上げることを発表しました。最近では、フィンテック(金融テクノロジー)は発展に欠かせない基幹産業と見なされるようになってきました。中国は、金融制度を徐々に開放することに熱心に取り組み、グローバル市場との強いつながりを築く努力をしています。

穀物先物がファイナンスにどう急激な変化をもたらしたか

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2017年1月12日 || Debbie Carlson

このシリーズでは、過去150年超にわたる先物市場の発展の中で開発された、画期的なプロダクトに焦点を当てていく。そして本稿は、このシリーズの第2回目である。

トウモロコシ、小麦、オーツ麦の先物が1877年に取引開始された当時、シカゴ商品取引所(CBOT)に居た12名の人物は、数兆ドルが世界中で毎年売買される手段を生み出したとは少しも気付いていなかった。

「CBOTは1848年に設立されたが、現在のように価格を決定して将来のある時点で受渡する穀物を売るというという標準的な商品に発展するまで、さらに約30年間を要した」と、CMEグループの穀物・油糧種子担当シニアディレクタのFred Seamonは述べている。

Seamonは、「設立以来、CBOTは、穀物取引の中心的存在になり、価格発見と価格の透明性の始まりの幕開けを担ったが、それでも農家と商人が収穫期前後しか集まらなかったため、ある季節に限った現物市場に過ぎなかった。シカゴが主要都市として発展を遂げたのは、ミシガン湖に接し、主要鉄道ハブであるというロケーションがその理由であったが、主要な船舶や鉄道が存在したとしても、商人は収穫期にシカゴに大量の穀物を運び込むことに手を焼いていた。

こうした状況が一変したのは、シカゴに穀物倉庫が建設された時だった。すぐに、倉庫のオーナーと農家は、穀物年度の終盤まで穀物の売却を遅らせることができれば、高いリターンを得られることに気付いたと、Seamon は述べている。したがって、初の先渡取引が始まり、最終的に、トウモロコシ、小麦、オーツ麦の標準取引に進化した。

「1877年に行われたそれらの取引が、初の先物取引となった。初の先渡取引の推進を促したのはシカゴの倉庫の建設で、最終的に先物取引に発展した」と、Seamonは解説し、「トウモロコシ、小麦、オーツ麦の取引はやがて、世界の先物業界の先駆けに一役買った」と、付け加えた。

そして、140年後も、その場所はいまだに世界の穀物価格のベンチマークとして関係しており、トウモロコシの先物取引は、世界で最も多く売買されるコモディティ市場の一つとなっている。出来高がどれほど大きく成長したかを理解するには、入手可能な最も古いデータである1921年を見ると、トウモロコシの年間の出来高は117万枚であった。2016年には、年間出来高が記録的な8,560万枚に達した。

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また、小麦も2016年の出来高が3,100万枚と記録を打ち立て、1921年の出来高の250万枚から大きく伸びて2,500万枚以上に達した。オーツ麦の出来高は1921年当時の53万738枚ほどではなく、2016年の出来高は22枚5,230枚にとどまったが、これは自動車が発明されて輸送手段が馬から自動車に代わって以来、米国の消費量はあまり大きくない。

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数十年間、穀物の先物は、主として国内市場を反映していたが、2000~2006年にかけて、いくつかのイベントが生じて、穀物市場が拡大し、世界中の注目を浴びるきっかけとなった、とSeamonは述べている。

まず、トウモロコシ取引が河川輸送に変化したことであり、この取引はメキシコ湾岸の輸出ターミナルまでの価格を反映しており、シカゴの穀物倉庫のほぼ半分が閉鎖されたことで、ターミナルが必要になった。小麦は既に、 メキシコ湾岸のターミナルへの供給専用向けに複数の河川と鉄道のロケーションが存在していた、と同氏は説明している。

「その当時は明らかに、市場は、国内中心から国際市場へ範囲を拡大し始めたときで、グローバル価格が実際に決定された。世界中から参加者も増え始めた」と、Seamonは述べている。

そして、もう一つの大きな変化は2006年に起き、日中の電子取引が導入されて市場に影響をもたらし、国内に加えて世界中の参加者数が一段と増えた。この当時、コモディティブームが進行中で、従来から参加する穀物の当業者、農家やその他の従来の投機筋に加えて、新規の参加者数も増えた。

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シカゴ商品取引所のトウモロコシ、小麦、オーツ麦の検品デスク、1940年前後

「電子取引は大きな変化を生んだ」と、アイオワ州ウェストベンドにあるMaxYield CooperativeのアナリストのKarl Setzer氏は指摘する。 「農村地帯の中西部でデスクに座り、即座に取引を履行できる。午前9時30分に注文を出せるようになる前は、忙しい日には、午後1時まで注文が履行できないこともあった」と、述べている。

また、電子取引は、圧倒的な地位を維持するのに一役買った。局地的な穀物市場が世界の異なる場所に誕生したとしても、 CBOTの流動性 は、世界中から市場参加者の大部分をひき寄せており、CBOTの市場は、先駆者としてのステータスを維持できていると、Seamon は述べている。

Hollander and FeuerhakenのパートナーであるGlenn Hollanderは、その家族が1990年代初頭からCBOTで勤務しており、その当時の市場の進化を思い起こした。同氏は、「出来高は伸びており、市場での農産物取引に直接関係しない多くの人の存在によって、穀物市場が資産クラスに押し上げられた」と、指摘する。

Setzerは、穀物市場が新規参加者の関心を映し出しているとの見方に同意していた。 「穀物は、ダウやナスダックの動向を反映するだけではなく、ウクライナや、南アフリカの情勢も反映している」と、述べている、と指摘する。

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シカゴ商品取引所の穀物の取引フロア、1900年。

「先物オプションの登場により、市場参加者のヘッジ手段は拡大した」、とSeamonとHollanderは指摘する。「標準的な月次オプションは揃っているが、週次オプションのような短期物オプションも存在しており、参加者は、米農務省(USDA)の穀物需給報告などのイベント近辺で、ニーズに応じてヘッジを活用できる」、とSeamonは説明する。

Hollanderは、「投機筋の市場参加者が増加したのに加え、価格は、穀物の需給などの単に農産物のファンダメンタルズ要因をもとに必ずしも売買されるわけではなく、 その他の経済要因の影響を反映していることもある」と、述べている。いまだ、価格の発見と透明性の手段として、世界中の農家や最終需要が関係している。

「インディアナ州の農家や、南アフリカの農家は振り返り、先物相場が上下しているのを目にして、市場が変化している兆候を感じている。ビッドが変わらなければ、XYZ Grain Coに依存する必要はない。 輸出の買い手や加工プラントについても、同様のことが言える」と、同氏は指摘する。

全米最古かつ最大のトウモロコシ生産者協会で、今年50周年を迎えるアイオワ州トウモロコシ生産者協会のCraig Floss経営最高責任者は、取引は、世界の食糧のサプライチェーンにとって極めて不可欠なものだと、述べている。これらの取引は、生産者と最終需要家双方に、そして特に食糧を自給自足できない国に安定をもたらしている。

「国家は、信頼できないパートナーとの貿易を望まないのは明らかだ。「この種の法的契約は、取引が完了するとの確信を両サイドに与える。さらに、国家は、国民への食料供給に関して必要なことを遂行できなくなったとしても、他の誰かに依存したくはないと考える」と、同氏は締めくくった。

中国にはナゼ、近代的な先物市場が必要なのか

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2016年12月20日 || Leo Melamed


数世紀の歴史を有する先物市場であるが、CMEグループが金融先物を上昇するなど、世界の金融センターに取り入れられる結果になった近代的な市場モデルが登場したのは、1970年代以降のことである。そして、その後の成功で重要だったのは、ほとんど同時期に始まった技術革新だった。

テクノロジーの進展が、投資科学に金融リスクの基本要素の発見をもたらしたのである。そこから、金融工学によってリスクは細分化され、再構築され、収益見通しに従って再配分することが可能になったのである。パッケージ化されたリスクと収益機会は、投資家の選択に従って、より好ましい投資機会と交換することが容易になったのである。

中国では今世紀初めにCSRC(中国証券監督管理委員会)が設立されたのに続いて、その監督規制の下に、SHFE(上海期貨交易所)、DCE(大連商品交易所), ZCE(鄭州商品交易所)が、それぞれ異なった商品クラスの取引を開始させた。ただ、中国の金融先物市場への参入は、市場で人気を博している上海総合株価指数(CSI 300)の先物を上場したCFFEX (中国金融先物取引所)が、2006年に設立されてからのことになる。そしてCFFEXは、予想以上の売買高に裏打ちされ、初日から成功を収める結果になった。中国でのこうした先物市場の開発や継続的な発展の過程では、CMEも援助や助言を提供してきている。

しかしながら、中国のこれら4つの取引所は現在、成功している一方で、同様の問題を抱えてもいる。取引参加者の主体が国内投資家であり、海外からの参加がほとんどないことである。多くの商品の主要輸入国である中国の先物市場は、グローバルな価格発見機能の主要な役割を負うべきであるが、実際はそうなっていない。中国の先物市場が国境を超えたものにならない限り、中国経済における先物市場の恩恵は、これからも限定的な水準に留まり続けることになる。

中国はまた、経済成長においても過渡期的な段階を迎えている。政府は、輸出主導の製造業経済から個人消費が主導する、国内経済の成長に依存する経済モデルへの移行方針を明らかにしている。そして、この移行が進められるに従い、商品や金融において、価格発見の役割を理解することが重要となってくる。

価格発見の役割は、どの時点においても公平で合理的な価格を設定するだけではない。価格発見は、例えば自然発生する価格の変動を管理する効果を背景に、長期的には資源の効率的な配分に資するのである。価格発見の機能を高める市場参加者の多様性など、効率的に構築された市場であれば、価格発見とリスク管理が連動し、経済成長を利する形で希少な資源を配分するプロセスが機能し易くなる。さらに中国は、その輝かしい経済成長と近代化の歴史を背景に、効率的な価格発見を強調した、近代的な市場システムを構築する機会に恵まれている。例えば、何層にも及ぶ複雑で非効率な規制など、米国や欧州、日本の過ちから十分に学ぶことが出来るのである。

ここで、具体的な例を考えてみたい。米国では最近、感謝祭の祝日を迎えたばかりなので、この祝日で食されることが多い七面鳥を例に考えてみる。例えば、七面鳥料理をレストランで楽しむ人がいる。一方、レストランとしては、過去の経験などから七面鳥料理の需要を考慮した上で事前にこれを仕入れ、ある程度の期間、保存しておく必要がある。もちろん、それ以前には農家があって、感謝祭シーズンに合わせて、七面鳥を飼育している。農家から食肉処理施設まで、さらに施設からレストランまで、七面鳥を輸送するコストも考慮されなければならい。こうした過程には、周到な計画と燃料、保管などのコストが関わっている。ある時点のレストランのメニューで、七面鳥料理がいくらかと言う話ではもはやないのである。ここで考慮されるべきなのは、想定される生産コストや、連結する各経済プロセスにおける時間軸なのである。

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CMEグループなどの近代的な市場は、グローバルな市場参加者のアクセスを確保するため、テクノロジーに依存している

先々での引き渡し価格を確定し、穀物をフォワードで売ることが出来ることで、生産者は飼料や燃料などを長期契約で仕入れることが可能になる。生産者は、金融コストと将来的なリスクに対する管理能力を向上させたのである。さらに、将来的な穀物価格、エネルギー価格の動向、金融コストなどに関するリスクを移管したことで、生産者は効率的な生産に集中できる。

この概念は、七面鳥の飼育農家であっても、食肉処理施設、輸送サービス、レストランでも同様なのであって、それは原油、鉄鉱石、そして英ポンドでも同じなのである。先々での価格変化を管理するために今、現在において存在する具体的な価格は、こうしたリスクの管理をアウトソースすることで、例えば企業では、将来的な売り上げや収益を平均化することで、ビジネスを小資本で展開できる可能性も出てくる。経済活動において現実的に発生するこうした有利性は、経済上の利益として具体的に証明できないからと言って、その貢献が不明確になったり、減じられたりされるべきものではない。

例えば、メキシコは先ごろ、原油価格をヘッジしていたことで、2016年に29億ドルの収益が発生すると発表している。原油価格が急落と低迷を続けるなか、IMF(国際通貨基金)によると、2年続けて利益を記録することになるとされている。

堅牢な価格発見プロセスは、生産者、消費者、リスク・テイカーなど、多様な参加者による積極的な取引によって構築される。もちろん、そこには、価格情報の開示に関する透明性が前提として存在する。スポット市場とフォワード市場を連動させ、その恩恵をフルに実現するためには、価格発見における堅牢なプロセスが不可欠なのである。そのためには、参加者の多様性だけでは不十分なのであり、市場価格の透明性を維持するための規制当局による監視も、重要な要素となる。

信頼性に欠ける市場に、堅牢な価格発見を期待するのは無理なのである。従って、価格発見プロセスにおける透明性は、信用と信頼性を築く上で不可欠な要素であり、これが意味するのは市場の幅である。商品や金融など、多くのプロダクトにおいて、幅とは、ローカル市場とグローバル市場の連動性である。もしも、国内市場をグローバル市場の影響から隔離する方策が採られるなら、ここでの価格発見は堅牢とは言えないだろうし、資源配分の決定要素として用いることはできないだろう。結果として、こうしたローカル価格はグルーバル市場の価格から乖離し、国内の消費者や生産者は、彼らが有する影響力を国際価格に反映することが出来なくなる。

国内市場と国際市場がリンクすることなしに、中国市場の価格発見プロセスが、商品や金融などの資源を適切に配分するためのインセンティブとなるとは思えない。国際市場へのリンクに関しては、中国の場合、人民元の国際化も、次のステップとして重要な案件である。これが実現するまで、中国における価格発見は構造的な問題を抱え続けることになる。

最後に、市場の完全性維持を担保した上で、そして改革のスピードを鈍化させない範囲で、金融市場改革をリードする規制環境を構築するという課題がある。国際標準となっている規制レベルが導入されるべきであり、市場の法治化も必要となる。そして、中国はこうした課題に向けて、達成レベルを高めている。その意味では、何層にも及ぶ不必要な規制によって、改革が混乱に陥ったり、経済成長を妨げる要因になったりした米国や欧州、日本の過ちを回避できる可能性が高い。

参入障壁を排除することで国内市場とグローバル市場をリンクさせ、全ての経済プロセスの時間軸に影響を与える金利規制を解除し、国際水準の市場規制を取り入れ、RMBの兌換性を高め、スポット(現物)市場の流動性向上を支援するため先物やオプションのプロダクト改革を支援する。こうしたことによって、価格発見プロセスが改善する。現状は中国にとって、その経済的恩恵を現実のものにする好機であると言える。

本稿は、2016年11月28日に中国の北京で開催された国際諮問委員会(International Advisory Council)におけるレオ・メラメドのスピーチを基にしたものである。


ユーロドル金利先物:グローバル資金流動のバロメーター

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2016年12月14日 || Kira Brecht

このシリーズでは、過去150年超にわたる先物市場の発展の中で開発された、画期的なプロダクトに焦点を当てていく。そして本稿は、このシリーズの最初を飾るプロダクトを取り上げる。

ユーロドル金利先物は1981年12月の上場以来、他商品の追随を許さない程の成功を収めたプロダクトである。世界中で、最も活発に取引されている先物商品の1つなのである。

平均的な投資家のユーロ市場に関する理解はあまり深くないかもしれないが、この原市場は、金融機関の資金調達や債務構造における重要な構成要素となっている。

CMEグループの金融リサーチ/商品開発部門でエグザクティブ・ダイレクターを務めるフレッド・スタームは、ユーロドル金利先物が「世界最大規模の市場流動性」を誇るプロダクトの1つだと明言する。

ユーロドル金利市場の動向はまた、世界的な資本移動、与信需要、金利見通しに関する洞察を与えてくれる。世界を動かしているのが資本だとすれば、スタームは「そのコスト」の指針として捉えられるのがユーロドル金利先物市場だと指摘する。

さて、こうした事実は、銀行融資とは無縁の人々に、どう関係するのだろうか?ポイントは、資金の流れである。

CMEグループの金利プロダクト部門でトップを務めるアグハ・ミルザは、企業、政府、個人、いずれも借り入れに依存していることを指摘する。その上で、「この世界を動かしているのは、膨大な額の資金の貸し借りなのです。こうした資金の動きは、経済活動のエンジン役として、現代社会で必要不可欠な役割を担っているのです。ユーロドル金利先物は数十年にわたり、金利リスクのヘッジ・ツールとして、主導的な役割を果たしてきました。そしてそれは現在、これまで以上に、重要な役割となっているのです」と解説する。

ユーロドル金利先物の主要ユーザーは、資産管理業者、企業の財務担当者、ヘッジ・ファンド、住宅ローン会社、自己取引業者など、短期金利の変動リスクに晒されている人たちである。CMEグループのスタームは、「一般的な米ドル建て無担保ローンのコストに関して、ユーロドル金利先物は事実上の標準尺度となっている」と説明する。

ここで、例を挙げてみよう。ある企業が、ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)にその企業の与信リスクを反映したプレミアムを加算した金利で、銀行ローンを設定したとする。ローンが実行されるまでの間、この企業は市場金利の上昇リスクを抱えることになるが、ユーロドル金利先物を売ることで、このリスクをヘッジすることができる。

ユーロドル金利先物の最終清算価格は、当月の取引最終日における3か月物LIBORを参照した上で決定される。従って、ユーロドル金利先物の相場動向は、先々のLIBORに関する知的資金運用者の見方を、垣間見せてくれていることにもなる。

隆盛を続ける市場

CMEでは、ユーロドル金利先物が、最大の建玉枚数と共に、日中平均の売買高で他のプロダクトを凌ぐ存在となっている。11月末時点における総建玉の想定規模は、12兆8400万ドルに達している。

ユーロドル金利先物はまた、金利スワップ取引、一般や住宅向けローンなどで、ヘッジ・ツールとして活用されている。CMEのミルザはこの先物の特徴として、1)高市場流動性、2)市場参加者の多様性、3)多岐に及ぶ利用範囲、4)金利スワップなどの代替え取引に比べて資金効率が高い、等の利点を挙げている。

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FXではないユーロドル

ユーロドルとは言っても、もちろんFX市場の通貨ペアのことではない。ロンドンからリオデジャネイロ、東京まで、米国以外で取引される米ドル建て銀行預金は全て、ユーロ(市場の)ドルと呼ばれる。

こうしたユーロドルの3か月物銀行預金金利を原市場として、ユーロドル金利先物はデザインされている。

1950年代から60年代に、ユーロドルは国際政治の緊張を背景として誕生・発展した。当時、東ヨーロッパの傀儡諸国群との関係を強めていたソビエト連邦は、中国と同様に、冷戦の進展に伴って、ニューヨークの銀行にある自国の米ドル資金が米国によって凍結される可能性を懸念していたのである。

現金決済の登場

1980年までに、金、通貨, 政府短期証券(Tビル)などの金融先物の売買高は、取引所の歴史上始めて、農産物先物を超えるまでになっていた。

CMEのレオ・メラメド名誉会長は当初、全世界的に取引されている米ドルの短期金利という、巨大グローバル市場に次の商品開発の標準を合わせていた。結果的に、これがユーロドル金利先物の出発点となった。

CMEでエコノミストを務めていたフレッド・アーディッティは、ユーロドル金利先物という市場を定義し、開発する上で、主要な役割を演じた一人である。この新規先物プロダクトに関しては、差金決済という概念を商品デザインの一部として取り入れることが、大きな課題になると懸念されていた。米国では当時、先物のほとんどが最終的に現引きで決済され、差金決済は稀だったからである。Tビル先物やCD(譲渡性預金)先物など、当時から売買高を集めていた金融商品であっても、現引きによる最終決済となっていた。スタームは、「アーディッティや彼のスタッフは、先物取引において差金決済がどの様に機能するのかを理解してもらうため、本当に骨を折っていた」と、当時を振り返る。

実際、CFTCによるユーロドル金利先物の上場承認を前に、世界の主要銀行へこのプロダクトを打診するため、アーディッティはロンドンに出張するなどしている。帰国後、彼は差金決済という概念を現実のものとするため、商品デザインの下書きを繰り返したのである。

今では電子取引されているユーロドル金利先物だが、当時は立会場取引の最盛期で、上場後には毎日、およそ1500人のトレーダーやクラークがピットでひしめき合い、活発な売買を重ねる状況となった。カラフルなトレーディング・ジャケットを着たブローカーやローカルのトレーダー、クラークやランナーによって、フットボール場ほどの広さがある立会場は埋め尽くされたのである。

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市場の現状

取引の活発さを表すものとして、金融危機を契機とした2008年からの実質的なゼロ金利環境を、ユーロドル金利先物のプロダクトグループが耐え抜いたことが挙げられる。この先物では、10年先までの限月が上場されていることから、取引参加者は金利リスクのヘッジ・ニーズに合わせて、取引を期近から期先限月に移行させたのである。

2008年には, ユーロドル金利先物における売買高の55%は、期近の4限月(直近の4つの四半期毎限月)から発生していた。スタームは、期先限月への取引シフトによって、2014年までに、期近限月の売買高が全体の25%を下回る水準に至ったことを指摘する。彼はまた、「市場の中心は、利回り曲線の先の方へ移行した。なぜなら、その時間軸では取引参加者の相場観に差異があり、売り買いを発生させることが可能だったから」とも説明している。

そして2016年の現在, 期近4限月で発生する売買高は再び増加していて、全体の40%ほどを占める状況となっている。

ユーロドル金利先物の重要な特性の1つは、豊富で継続的な市場流動性が、ほとんど1日を通じて提供されていること、とミルザは指摘する。彼はまた、市場規模、呼び値幅、売買高、建玉など、プロダクトの完成度を測る尺度は全て、ユーロドル金利先物の市場流動性が過去最高水準に近い状態であることを示していると話す。「数十年にわたって先物市場の主力プロダクトであり続けているユーロドル金利先物は今、これまでに増して取引参加者の期待を集めている」と、ミルザは見ている。

先物市場の偉大なプロダクトであるユーロドル金利先物は2017年、上場35周年を迎える。スタームは、ユーロドル金利先物が「アーディッティによる当初のデザインで想定された枠を超越した柔軟性を備えた」プロダクトであるとした上で、「2016年の今、かつてないほどの偉大さを誇るプロダクトとなっている。これこそは、驚くべき話ではないだろうか」として、現状に驚きを隠さない。



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