週末の材料に適した株価指数オプション取引

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2017年4月20日 || Thomas Boggs

米国と英国における政治のトレンドがフランスやEU(欧州連合)に波及するかどうか、2017年フランス大統領選は世界中から注目を集めている。先物トレーダーは、次のもう一つの理由から仏大統領選を重要視している。大統領選の第1回投票と第2回が日曜日に実施されるからだ。

投票日の重要性は、CMEグループにおいて、新しく上場されたオプション取引の出来高が高水準に達しているという事実で判断できる。S&P 500の月曜日満期の週次オプションは、4月3日の上場以来、1日平均出来高が約1万9,000枚に達しており、仏大統領選の投票日が近づくにつれ、毎日新記録を更新し増加基調をたどっている。

材料を見据えたトレーディング
月曜日満期の週次オプションを活用すれば、投資家は、週末の材料を見据えてより的確に取引を行うことが可能だ。オプションは日曜日の午後5時(米中部時間)に取引開始されるので、参加者は直近のニュースやイベントをもとにポジションを迅速に構築することができる。

月曜日満期のオプションの出来高は、VIX指数が5カ月ぶりの高水準に達した4月初頭に急増した。4月までは、短期ポジションを構築できる上場先物・オプションは、水曜日または金曜日に満期が到来する週次オプションに限られていた。また、CMEグループは、四半期および月末オプションも上場している。

週次オプションは、米大統領選英国のEU離脱の是非を問う国民投票の時も広く活用され、これらの日付における取引高は平均のそれぞれ3.8倍と3.2倍に達した。ただ、これらの投票日は、火曜日と木曜日であった。

週末をまたぐ材料について、投資家とトレーダーは、代替策を見出した。4月17日、上場して間もないこの商品の出来高は5万枚を突破して新記録を樹立した。この一部は、週頭のボラティリティの急伸と、週末に控えていた仏大統領選に関連しているかもしれない。

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仏大統領選の投票日が、マーケットを左右する可能性のある唯一の日曜日のイベントというわけではない。その日から週末の4月30日までの間には、米国の暫定予算の決議が控えている。さらに、6月には、フランスの国民議会選挙が予定されている。その後も多数のイベントが控えている。トレーダーは、ニュースが公表されるときに備え、イベントのヘッジ対策で週次オプションを試している。


ブロックチェーンによって金市場はどう変化しているか?

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2017年4月11日 || Peter Shadbolt

ブロックチェーン・テクノロジーによってもたらされる多くの可能性の一つに、売買取引における変化がある。土地の名義管理などに関して、金融からスマートコントラクトまで、ブロックチェーン・テクノロジーが広範な機能をさらに効率化するという方向性については現在、確認作業が急ピッチで進められている。そして、ブロックチェーン・テクノロジーが効率化をもたらす金融サービスの最新例が、英国王立造幣局とCMEグループが提供するデジタル・ゴールド・プロダクト、RMG(ロイヤル・ミント・ゴールド)である。

このプロダクトで、CMEグループはそのデジタル・プラットフォームの開発と運用を担当している。迅速に、コスト効率の高い、暗号論的にセキュアな方法を用いたプラットフォームは、金の買い付けや保有と共に、スポット取引環境を提供するものとなっている。

現物の金による裏付け
CMEグループのデジタル部門を率いるサンドラ・ローは、ブロックチェーンを背景にした今回の新プロダクトは、金取引に関する全くのエコシステムであり、迅速性と直接的な所有権に関する透明性を兼ね備えたもの、としている。

さらに彼女は、RMGを「英国造幣局に実際に保管してある金のデジタル版」と定義する。

その上で、「RMGを買うということは、所有権という観点からは、担保としてではなく、借入としてでもなく、実質的に、金の所有権を実際に持つということです。もちろん、RMGに関しては、流通予定の所有権全てを賄うに十分な量の金が確保されています」と話している。

実際、RMGは現在、最大で10億米ドル相当の金の裏付けを以って取引を開始するべく、準備が進められている。

デジタル・ウォレットを通じた取引も可能なRMGは、投資家やトレーダーが希望すれば、実際の金を受け取ることも可能となる。

ローは、「ライブ・テストの段階に達している本プロダクトは、機関投資家を対象にした初のデジタル・ゴールドであり、初めて政府機関が参加するプロダクトでもあるのです」と指摘している。

また、ロイヤル・ミントのCFO、ビン・ウィジェラトネは「分散型台帳技術は革新的なテクノロジーであり、ブロックチェーンを介した金の流通は、英国造幣局が最近、開発を考えていたものでもありました」と付け加えている。

そして、「CMEグループと共同開発したトレーディング・プラットフォームは、金の購入、保持、売却を迅速に、高水準のコスト・パフォーマンスで、安全に実行するシステムであり、既存のプロダクトを補完するものでもあります。今回の画期的なパートナーシップは、世界でも主導的な造幣機関と世界最高の商品先物取引プラットフォーム、そして最先端のテクノロジー、これら全てを結合するものとなりました」と話している。

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ブロックチェーンというオープン・ソース
CMEのローは、さらに、分散型台帳技術が至って効率的である主要な背景として、本プロダクトの運用開始を前に、そのオープン・ソース・コードがリリースされることを付け加えている。

ビットコインのセキュリティ・プラットフォームを提供しているBitGo社は、CMEグループと共に、アーキテクチャーに加えて、ブロックチェーンの規則やパラメタ―の開発を進めて来た。そして今回、システム開発者や企業、リサーチャーには、このコードにアクセスし、テストし、評価する機会が提供されている。

RMGオープン・ソース・コードを参照

ローは一方で、「本件に関する構成要素に関しては、オープン・ソースとすることになっています。ただし、それは、ネットワークがオープンであるという意味ではありません。少なくとも当初、その予定はありません」として、注意を喚起している。

その上で、「本システムは、許可制のプライベート・ネットワークです。また、既にオープン・ソースとなっているビットコインをベースとしている本システムでは、特定部分のソース・コードに関して、改善や変更を許可していることになります」と説明している。

ローは、こうしたことによって、これまでのデジタル資産プラットフォームに見られた様な、使い勝手の悪さという課題の克服に向けて、本システムの改良が進むと予想している。

「視界明快な取引プラットフォーム」
ブロックチェーン・テクノロジーを展開する会社であり、RMGトレーディング・プラットフォームの提供に関してCMEグループのパートナーとなっているアルファポイント社の社長兼COO、イーゴア・テルバトニコフは、ブロックチェーン・コードの開発者であるBitGo社と共同で、安全なプラットフォームの開発に向けてプロジェクトを重ねて来た。

彼は、「RMGの売買において、この取引プラットフォームは、高パフォーマンスで安全な環境を提供することになるでしょうこれまでに寄せられた評価に勇気付けられていますし、新規の金融機関にも是非、このプラットフォームを早期の段階で試してほしいと思っています」と話している。

機関投資家を対象としたデジタル・ゴールドの売買プラットフォームは、今回のものが最初となっている。

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アルファポイント社の協力を得て、CMEが提供するRMGの電子プラットフォームでは現在、機関投資家が参加してライブ・テストが行われている。

アルファポイント社のテルバトニコフは、「ブロックチェーンには、取引参加者に対して変更不可の所有権記録と共に、所有名義や担保などの履歴が提供されるなど、高レベルのトレーサビリティーと監査能力が担保されているのです」と胸を張る。

そして、「これまでの市場では不明瞭で不明確なことも多かったのですが、このプラットフォームでは、取引に関して明快な視野が提供されているのです」としている。

RMGの仕組み
複数の署名を要するマルチシグネチャ形式をビットコインウォレットに導入したBitGo社のCEO、マイク・ベルシュは、この形式がRMGのセキュリティー技術に関するコアな部分、としている。

RMGを含め、暗号学を背景としたデジタル資産は全て、PKI(公開鍵基盤)をベースにしていて、ネットワーク上の様々なユーザーが取引を承認したり、確認したりすることを可能にしている。その上で、BitGo社のベルシュは、今回のシステムでは、銀行や弁護士などの信頼されるべき立場の参加者が保有する追加PKIが設定されていて、マルチシグネチャ形式が一段と進化していることを指摘する。

ベルシュは、また、「取引をする場合、参加者は自身のキーでサインした上で、そのキーを、全く異なるシステム上の取引相手に渡し、この取引相手もそれでサインします」と付け加えている。

その上で、「この方法は、非常に効果的であることが判明しています。一般的に、デジタル資産の取引に関して、システム・セキュリティーの専門家たちは、この方法が最も安全だと指摘しています」としている。

CMEのローによると、RMGとそのテクノロジーをテストしている幅広い分野のマーケットメーカーの評価はここまで、至って肯定的なものとなっている。

「我々にとって、取引参加者の多様性は重要な課題となってくる」とするローは、「RMGを長期保有目的で買い付ける参加者はもちろん必要ですが、セカンダリー・マーケットの拡大に寄与する市場参加者も必要」と見ている。



Putnam、イエレンによる金利引き上げを予測

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2017年3月9日 || Evan Peterson

3月3日に発表されたジャネット・イエレンのコメント受け、CMEグループのチーフエコノミストであるブルー・プットナムは、イエレンが「タカ派と化した」と指摘し、次回連邦公開市場委員会(FMOC)で金利引き上げが実施されることを示唆した。「イエレンは経済への自信をより深めており、これまで以上に金利引き上げの心構えがある」と動画(下記参照)の中で語っている。

アガー・ミルザが今週の指摘したように、市場はこの考え方と同様な反応を示している。シカゴのExecutives Clubにおけるイエレンのコメントを受け、CMEグループによるFedWatch Tool(連邦準備銀行動向ウォッチ・ツール)は、3月15日開催予定の委員会における金利引き上げの可能性は90%以上であることを示した。

プットナムによるコメントは、こちらを:





2017年度の農業における、気象そして政治的影響

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2017年3月9日 || Evan Peterson

先ず、天候パターンについて復習しよう。

エルニーニョ現象:赤道付近の太平洋海域において、暖海流により海面温度が平年より上昇する現象

ラニーニャ現象:赤道付近の太平洋海域において、海面温度が平年より低くなる現象

CMEグループのチーフエコノミストであるブルー・プットナムは、「Off the Charts」ポッドキャストにおいて(メンバー登録にはこちらをクリック)、最近のエルニーニョ現象・ラニーニャ現象について語り、米国におけるトウモロコシ及び大豆生産への影響について言及した。プットナムによると、2015年8月に発生したエルニーニョ現象は米国中西部に異常な温暖気候を引き起こし、その結果アルゼンチンそしてブラジルにおける農作物生育条件が大きく改善されることとなった。 2016年12月にはラニーニャ現象が発生したが、非常に弱いものであり翌年2月には消滅し、再び新たなエルニーニョ現象の到来と至った。

現在新たに発生しつつあるエルニーニョ現象について、プットナムは特に興味深いものであることを指摘する。

「赤道付近太平洋海域における海面温度の上昇に加え、カナダ沿岸北太平洋地域及び米国北西部海岸地域の海面水温が低くなっている。これは、エルニーニョ現象とは一切関連がないが、同時発生している現象であり、2017年の農作物生産に大きな影響を与える要因となるであろう。」

プットナムは、その結果発生する低気圧により米国南部地域に雨天がもたらされ、ジェット気流が北部に留まることにより、カナダの冷たい大気が米国に忍び寄ることはないと語る。

「これらすべてを総合的に見ると、トウモロコシを主要作物として生産する米国コーンベルト地帯にとって、そして、アルゼンチンの大豆もしくはブラジルのトウモロコシ生産にとってかなり良好な天候パターンであると言える。つまり、天候による農業生産への被害はないであろうと考える。」

政治的不安定さ
プットナムが指摘するように、トウモロコシ・大豆市場は通常2つの主要因の影響を受ける。当然ながら第一は天候であり、そしてもう一方は政治的要因である。トウモロコシ・大豆に関して言えば、これらの影響は通常南米から発生する。アルゼンチンでは新大統領が就任し、税金・行政改革が導入され、同国の農業従事者による輸出増大に至った。ブラジルでの政治的崩壊は、政府・政治に対する不信感を拭い去る事となり、これもまた輸出増大へと繋がることとなった。一方米国は世界的輸出へと政策転換し、同国の農業従事者の間に政治不信を引き起こすに至った。プットナムは上記ポッドキャストにおいて、この政治的状況こそがトウモロコシ・大豆市場を影響する最大の要因となるであろうと語る。

「2017年度、良好な気象が予測される一方、農業市場は政治的要因により不安定となることが予測される。」

「Off the Charts」ポッドキャストを聞くには、こちらのリンクを。

WTI原油にとって有望なアジア地域

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2017年3月8日 || Owain Johnson

ロンドンで先週開催された石油業界関係者が集結するIPウィーク(国際石油週間)では、米国の原油がアジア市場にもたらす影響の高まりが話題の中心の一つであった。ごく最近まで、これは非現実的な議論のように思われていた。米国の原油輸出禁止措置が2015 年12月に撤廃され、40年ぶりに米国の原油が北米から輸出された。

1年でこんなに変わってしまうとは。石油業界は、こうした新しい機会にすぐさま反応し、米国の原油輸出は、シンガポール、中国、日本、韓国、タイといった成長が著しいアジアの需要に対応する道を見出した

米国は、2015年にほぼ全くアジアへの原油を輸出していなかったが、2016年1月~11月(政府発表の指標で最新の期間)の輸出量は日量5万バレルまで膨らんだ。輸出量は、2017年今までのところ力強く伸び続けており、このトレンドは継続する可能性は高い。

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原油価格の最近の上昇を背景に、米国のシェールオイル・セクターでは投資の再開が進んでおり、生産の増加が見込まれている。 米エネルギ省の予測では、2017年末までに米国の生産量が日量570万バレルに達するとの見方を示しており、この水準は2011~2014年にかけての第1次シェールオイル・ブーム時のを大幅に上回っている。この生産の一部は海外に活路を見出せざるを得ず、成長中のアジア諸国は最も有望な輸出先である。

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アジアのヘッジ
また、米国の原油に対する力強いアジアの需要を背景に、アジアの需要家の間では、ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)原油先物をリスク管理ツールとして活用する需要が高まっている。アジアの取引時間帯において、WTIは現在、1日当たり約8,000万バレル取引されている。このため、WTIはアジア時間帯で売買される主要エネルギー・デリバティブの中で最も流動性が高い。

輸出禁止措置の撤廃前は、アジア取引時間帯の出来高は通常、WTI全体の約2~3%に過ぎなかった。米国の原油輸入に伴う価格リスク管理に対するアジアの需要家からの関心が高まる中、こうした状況が劇的な変化を遂げた。当業者であるアジアの石油会社からの関心の強まりにより、域内の金融機関系投資家の参加の増加が促された。ここ数カ月、アジア時間帯の取引は急増しており、WTIの出来高全体に占める比率は14%にまで達した。

WTIは、1988年の上場開始以来、原油市場の価格形成メカニズムにおいて常に重要な役割を果たしている。たがその当時は、世界の価格指標になるとは誰もが想像していなかった。 米国の原油生産者が輸出禁止措置の撤廃以後にアジア向け原油市場を確立したスピードには、実際誰もが驚かされている。

シェールオイルの生産効率の向上を背景に、米国の生産は北海のような高コスト地域で生産される原油に比べてかなり価格競争力がある。 米国の輸出は、北海の価格指標で一般的に値付けされる西アフリカやアジアのスイート原油と競合していることから世界の取引マップで既に注目を集め始めている。

アジアの製油所は、多様な米国の適格品への関心を強めている。メキシコ湾で生産されるMarsのような粘度と密度の高い米国の原油でさえも、距離がかなり遠いとはいえ中国の製油所からの引き合いがある。これは、アジアにおいて需要が伸び続けているのに、石油輸出国機構(OPEC)がこれらの重油の供給全体を減らしていることが一因にある。

これらはアジア向けの米国の原油輸出の プル要因とプッシュ要因となっており、こうした新しい取引ルートは拡大する可能性は高い。アジアの取引時間帯の WTI 原油先物の流動性が急増したことにより、売買の両サイドの市場参加者は適切に価格リスクの管理できるようになったことから、物理的な供給とデリバティブ取引が歩調を合わせて成長していくことが予想される。


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